2025.04.17

部分入れ歯の種類と費用をやさしく解説|あなたに合う選び方とは?

部分入れ歯の種類と費用をやさしく解説|あなたに合う選び方とは?

「最近、入れ歯が合わない」「見た目が気になる」——そんなお悩みはありませんか?
部分入れ歯は失った歯を補う大切な治療ですが、種類や選び方で快適さは大きく変わります。このページでは、部分入れ歯の特徴や費用、選び方のポイントまで丁寧に解説します。後悔しない入れ歯選びの参考に、ぜひお読みください。

1.こんなお悩みありませんか?

1. こんなお悩みありませんか?

「金具が目立って恥ずかしい」「なんとなく噛みにくい」

部分入れ歯を装着していて、「見た目が気になる」と感じていませんか?
とくに金属のバネが笑ったときや話したときに見えるのは、気になるものです。「人と話すときについ口元を手で隠してしまう」「写真に写るのがイヤになった」など、日常の小さなストレスが積み重なります。
また、「しっかり噛んでいるつもりでも、片方だけで噛んでいる」「硬いものを避けるようになった」など、食事への影響も見逃せません。
こうした違和感が続くと、食事の楽しみが減るだけでなく、健康にも影響します。
十分に噛めないと、栄養バランスが偏り、消化にも負担がかかることがあります。「部分入れ歯は我慢して使うもの」だと思っていませんか?でも、あなたに合った設計や素材を選ぶことで、違和感は大きく減らせます。

食事のときにズレたり、痛みが出たりする

「食事の途中でズレて気になる」「噛むときに歯ぐきが痛い」このようなお悩みも、部分入れ歯のご利用者の間ではよく聞かれます。
入れ歯は“合っていて当たり前”と思われがちですが、実際は微調整が必要なことも。
お口の中の状態は少しずつ変わっていくため、時間が経つと合わなくなることがあります。

また、入れ歯を支える歯に過度な力がかかると、ぐらつきや痛みの原因にもなります。「入れ歯のせいで他の歯まで悪くなってしまった」というケースもあるのです。
入れ歯がズレると、無意識に口元やあごに力が入り、話しづらさや疲れの原因にも。
快適に使い続けるには、定期的な調整やお口の状態に合った設計が欠かせません。

「もっと自然な入れ歯があるなら知りたい」そんな声が増えています

最近では、「見た目もつけ心地も自然な入れ歯があれば試してみたい」という声が年齢・性別を問わず増えてきました。

昔に比べて、部分入れ歯の種類や素材は多様化しています。
金属のバネが見えない「ノンクラスプタイプ」や、やわらかくフィットする素材もあります。
「今の入れ歯しか選べないと思っていた」「もっと自然な選択肢があると知っていれば、選び直したいと思っていた」そんな声を、私たちは実際の現場でも多く聞いてきました。

そのまま「仕方ないか」と我慢して使い続けてしまっている方も少なくありません。あなたのお口やライフスタイルに合った入れ歯は、きっとあります。まずは「今の悩みは入れ歯のせいかも?」と気づくことが第一歩です。

2.部分入れ歯にはどんな種類がある?

2. 部分入れ歯にはどんな種類がある?
部分入れ歯にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。どれを選ぶかによって、見た目・つけ心地・噛みやすさが大きく変わります。
ここでは、現在よく使われている3つの部分入れ歯をご紹介します。それぞれの特徴や向いている方の傾向を、わかりやすくお伝えします。

健康保険が使える、一般的な部分入れ歯(※金属のバネあり)

健康保険で作る入れ歯は、もっとも広く使われている方法の一つです。
歯ぐきにプラスチックの床(しょう)をのせ、金属のバネで支えます。費用が比較的安く、治療期間も短いため、多くの方が選ばれています。はじめて部分入れ歯を使う方にも、手に取りやすい選択肢といえます。

一方で、金属のバネが見える位置にくると、口元が気になることもあります。笑ったときに金具が見えるのがイヤだと感じる方も少なくありません。
また、支えになっている歯に力がかかるため、歯のぐらつきや負担の原因になる場合も。
強く噛んだときや長く使っているうちに、周囲の歯が悪くなるケースもあります。装着時に違和感が出ることもあり、慣れるまでに時間がかかることもあります。
「まずは保険の範囲で作りたい」という方には向いていますが、見た目やつけ心地を重視する方には、やや不向きかもしれません。

見た目が自然な部分入れ歯(※金属のバネなし・やわらか素材など)

金属のバネが気になる方には、バネが見えにくい入れ歯もあります。この入れ歯は、歯ぐきに近い色の樹脂で作られており、目立ちにくいのが特徴です。
やわらかくて軽く、違和感が少ない素材を使うことで、つけ心地も向上します。
「人前に出る仕事をしている」「笑顔に自信を持ちたい」という方に好まれています。
このような入れ歯は、保険が使えないため全額自己負担となります。費用はかかりますが、そのぶん見た目や快適さを重視した設計ができます。

ただし、素材によっては修理や調整が難しい場合があります。
また、長期間使うと変色や劣化が起こることもあるため、定期的な確認が必要です。「人に気づかれずに使いたい」「できるだけ自然に見せたい」という方に適しています。見た目とつけ心地のバランスを取りたい方にとって、有力な選択肢のひとつです。

噛みやすさを大切にしたしっかりした入れ歯(※金属床など)

硬いものをしっかり噛みたい方には、金属の土台を使った入れ歯があります。
この入れ歯は「金属床(きんぞくしょう)」と呼ばれ、安定感に優れています。金属は強度が高いため、入れ歯を薄く作ることができ、軽く仕上がります。

そのため、口の中での違和感が少なく、発音もしやすくなります。また、熱をよく伝えるため、食べ物の温度を感じやすいのも特徴です。お茶のぬくもりや冷たい水のひんやり感がわかりやすくなります。
使われる金属には、アレルギーに配慮したものもあり、体にやさしい設計も可能です。
歯や歯ぐきの状態に合わせて、細かく調整して作ることができます。この入れ歯も保険の対象外となるため、費用はやや高くなります。

しかし、長く使うことを前提に考えれば、満足度の高い選択肢といえます。
「つけていることを忘れるくらい快適に使いたい」「自分の歯のようにしっかり噛みたい」という方に適しています。

3. 部分入れ歯の費用はどのくらいかかる?

部分入れ歯を検討するうえで、費用のことはとても気になるポイントです。
保険が使えるものから、見た目や機能性に優れた自費のものまで、種類はさまざま。
ここでは、主な入れ歯の種類ごとに、平均的な費用の目安をわかりやすくご紹介します。選ぶ際の参考として、費用の考え方も一緒に知っておきましょう。

保険診療と自費診療のちがい

入れ歯の費用は、大きく分けて「保険診療」と「自費診療」の2つに分かれます。
保険診療は、国の制度に基づいた料金で、費用負担を抑えられるのが特徴です。
一方、自費診療は保険が使えない代わりに、見た目や快適さなどを重視して作れます。素材や構造にこだわることができ、ご自身に合わせた細やかな対応も可能です。費用を抑えたいのか、それとも見た目や使い心地を重視したいのか。
自分にとって「何を優先したいか」を考えることが大切です。

入れ歯の種類別|平均的な費用の目安

ここからは、これまでご紹介した3つの入れ歯について、費用の目安をご案内します。

■保険適用の部分入れ歯(一般的なプラスチック+金属バネ)

費用の目安:おおよそ5,000〜15,000円(自己負担3割の場合)
 ※部位や歯の本数によって前後します。
もっとも一般的な部分入れ歯で、費用を抑えられるのが最大のメリットです。ただし、見た目やフィット感の面で物足りなさを感じる方もいます。

■金属のバネが見えにくい入れ歯(ノンクラスプなど)

費用の目安:100,000〜350,000円程度(1装置あたり)
 ※素材や設計、歯の本数により幅があります。
樹脂製で目立ちにくく、装着感もやわらかいのが特徴です。見た目や違和感の少なさを重視する方に人気ですが、保険は使えません。

■噛みやすさを追求した金属床の入れ歯

費用の目安:250,000〜800,000円程度(1装置あたり)
 ※金属の種類や設計によって変わります。
薄くて丈夫な金属を使用し、強く噛めて長持ちしやすいのが特徴です。金属アレルギーに配慮した素材(チタンなど)を選べる医院もあります。

費用はあくまでも目安であり、地域や医院によって多少の違いがあります。また、歯の本数や残っている歯の状態によっても金額が変わることがあります。

医院によって異なる料金体系。まずは相談してみよう

自費診療の入れ歯は、医院ごとに料金設定が異なっているのが実情です。使っている素材の種類や、設計・調整にかける工程や歯科医師と歯科技工士の技術力も影響します。

たとえば「同じノンクラスプでも、価格が2倍違った」というケースもあります。
費用だけで判断せず、治療内容や保証の有無なども確認することが大切です。入れ歯の種類だけが希望に沿っているが、治療の工程が省かれており、治療技術的にも問題があって、結局口に合わなかったということも可能性としてあります。
気になることは遠慮せず、歯科医師やスタッフに直接相談してみましょう。

予算やご希望に応じて、無理のない方法を一緒に考えてくれるはずです。「費用のことを聞くのは気が引ける」と感じる方もいらっしゃいますが、安心して治療を進めるためにも、事前の確認はとても重要です。

部分入れ歯は、一度作れば長く付き合うものです。見た目・つけ心地・噛みやすさ・費用、歯科医師の技術力、すべてのバランスを大切にしたいですね。
次の章では、実際に「自分に合った入れ歯を選ぶポイント」についてご紹介します。あなたにとって最も安心できる選び方を、一緒に考えていきましょう。

4. 自分に合った部分入れ歯を選ぶための3つの視点

部分入れ歯にはいくつかの種類があり、それぞれに良いところと注意点があります。では、その中から「自分にとって本当に合う入れ歯」はどう選べばいいのでしょうか?ここでは、選ぶ際に大切にしてほしい3つの視点をご紹介します。見た目・つけ心地・長く使う安心感など、ご自身の希望と照らし合わせながらご覧ください。

見た目が自然なものを選びたい方へ

「人と話すときに金属のバネが見えるのが気になる」という声はとても多いです。仕事や人前に出る機会が多い方にとっては、見た目の印象も大切ですよね。そんな方には、金属のバネがない入れ歯(ノンクラスプデンチャー)が人気です。歯ぐきに似た色の樹脂で固定するため、目立ちにくく自然な見た目になります。

「入れ歯を入れていることに気づかれたくない」「笑顔に自信を持ちたい」と感じている方には、安心できる選択肢です。
ただし、見た目を重視する場合でも、噛む力や耐久性とのバランスも大切です。素材や設計によっては、やや壊れやすかったり、調整が難しいものもあるため、見た目だけで判断せず、歯科医師と相談しながら選ぶことが大切です。

違和感が少なく、しゃべりやすい・噛みやすいものを選びたい方へ

入れ歯を使っている方の中には、「しゃべりにくい」「食事がしづらい」と感じる方もいます。これは入れ歯が厚すぎたり、口の動きと合っていなかったりすることが原因です。そんな方には、金属床を使った部分入れ歯が向いています。

金属を使うことで、薄くて軽く、ぴったりとした装着感を得ることができます。また、金属は熱を通しやすいため、食べ物や飲み物の温度を感じやすくなります。「お茶の温かさがわかる」「冷たい水がちゃんと冷たい」と、食事の楽しみも増えます。話しやすさを重視したい方にもおすすめです。
入れ歯が薄くなると、舌の動きがスムーズになり、発音のしづらさも軽減されます。「入れ歯をつけているのを忘れるくらい、自然に過ごしたい」そんな方には、しっかり噛めて、違和感の少ない設計を選ぶことが大切です。

長く使えて、こまめな調整がしやすいものを選びたい方へ

入れ歯は一度作れば終わり、というものではありません。使っているうちにお口の中の状態は変わっていきます。たとえば、支えになっている歯が少し動いたり、歯ぐきがやせたりすることで、「はじめは快適だったのに、最近は外れやすくなった」と感じることもあります。
だからこそ、長く使うことを前提にした素材や構造を選ぶことが大切です。また、入れ歯を長く快適に使い続けるためには、定期的なチェックや調整が不可欠です。「何も問題がなくても、半年に1回は診てもらう」ことを習慣にしましょう。
歯科医院によっては、作製後の調整に力を入れているところもあります。選ぶ前に「どんなサポートが受けられるか」も確認しておくと安心です。「一度作ったら終わり」ではなく、「作ってからがスタート」――そんな気持ちで、自分に合う入れ歯選びをしていきましょう。

入れ歯選びに正解はありませんが、「自分に合ったもの」を見つけることはできます。
この章でご紹介した3つの視点を参考に、あなたの口元や生活に合った、無理のない選択をしていただけたらと思います。
次の章では、実際によくあるトラブルとその原因・対策について詳しく解説します。「こうなる前に知っておきたい」情報が満載ですので、ぜひ続けてご覧ください。

5. 部分入れ歯でよくあるトラブルと、その対策

部分入れ歯は、失った歯の代わりとして生活を支えてくれる大切な存在です。
しかし、実際に使っていく中で「ちょっと困ったな」と感じることも少なくありません。

ここでは、部分入れ歯を使用している方からよく聞かれる代表的なトラブルと、その原因、そして具体的な対策についてわかりやすくご紹介します。
「こうなる前に知っておきたかった」と思われることもあるかもしれません。今まさに不安を感じている方にも、ぜひ参考にしていただきたい内容です。

入れ歯が当たって痛い・話しにくい・噛みにくい

「入れ歯を入れると痛い」「歯ぐきがジンジンする」こうした痛みは、部分入れ歯にありがちな悩みのひとつです。
原因の多くは、入れ歯が歯ぐきや粘膜にうまく合っていないこと。少しのズレでも、食事や会話で繰り返し当たることで炎症が起きてしまいます。
また、入れ歯の厚みや形が合っていないと、発音がしにくくなることもあります。特にサ行やタ行が聞き取りにくくなった、という方もいらっしゃいます。
噛みにくさの原因もさまざまで、入れ歯が安定していない、かみ合わせが合っていない、などが考えられます。

【対策】

●痛みや違和感を我慢せず、早めに歯科医院で調整を受けること
●何度調整しても改善しない場合は、他の歯科医院での治療も検討すること
●定期的に「かみ合わせ」や「歯ぐきの状態」を診てもらうこと
●入れ歯安定剤を使いすぎず、基本はしっかり合う入れ歯を作ることが大切です

金具がかかっている歯がぐらぐらしてきた

部分入れ歯は、残っている歯に金属のバネ(クラスプ)を引っかけて支える仕組みです。このため、入れ歯の設計次第ですが、日々の使用で支えになっている歯に負担がかかりやすくなります。
とくに、硬いものを片側ばかりで噛んだり、合っていない入れ歯を無理に使っていると、バネのかかった歯に力が集中し、揺れたり、痛みが出ることがあります。放っておくと、その歯を失ってしまうリスクもあるため注意が必要です。
実際に「入れ歯を使っていたら、かけていた歯まで抜けてしまった」という例もあります。

【対策】

●バネの位置や力のかかり方を細かく調整することが大切です
●支えになる歯の定期的な検診や、歯周病のケアも欠かせません
●入れ歯を外した後の歯磨きや歯間ブラシで、清潔を保ちましょう
●改善しない場合は、入れ歯を専門とした歯科医院で相談してみましょう

部分入れ歯を使っていたのに、他の歯も抜けてしまった

「入れ歯があるからもう安心」と思っていても、他の歯が虫歯や歯周病で悪くなってしまうことがあります。
入れ歯をしていると、自分の歯で噛む力が減るため、歯ぐきや骨が痩せていきやすくなります。また、かみ合わせのバランスが崩れると、残っている歯に過剰な負担がかかることも。
こうした負担が重なることで、健康だったはずの歯までグラつき、最終的に抜歯が必要になるケースも珍しくありません。
特に支えとなる奥歯が抜けてしまうと、入れ歯の設計自体が見直しとなることもあります。

【対策】

●「入れ歯がある=安心」ではなく、残っている歯のケアも重要です
●ブラッシングや歯間清掃、定期的な歯石除去をしっかり行いましょう
●かみ合わせの変化が気になるときは、早めに歯科医院へ

入れ歯がゆるくなってきた・外れやすくなった

「以前はぴったりだったのに、最近ズレるようになった」「会話中に外れそうで気になる」——そんな経験はありませんか?
入れ歯は、装着後の年月とともに少しずつ合わなくなることがあります。原因は、歯ぐきや骨が少しずつ痩せていくことや、かみ合わせの変化です。一度合わなくなってしまうと、入れ歯が歯ぐきを傷つける原因にもなります。また、外れやすくなった状態で使い続けると、発音や噛み方にも影響が出ます。

【対策】

●少しでも「合わない」と感じたら、我慢せずに歯科医院で相談を
●入れ歯を定期的に調整し、適切なフィット感を保つことが大切です
●定期健診を受け、問題が大きくなる前に対応しましょう

6.まとめ:入れ歯は「作って終わり」ではなく「使い続けるもの」

6. まとめ:入れ歯は「作って終わり」ではなく「使い続けるもの」
部分入れ歯は、作ったその瞬間だけでなく、「その後」がとても大切です。
長く快適に使い続けるには、お口の状態に合わせて調整やケアを続けることが欠かせません。トラブルの多くは、「合わないまま我慢して使い続けた」ことが原因になっています。
ちょっとした違和感でも、気になったら早めにご相談ください。

また、トラブルを未然に防ぐには、定期的な歯科健診とクリーニングも効果的です。入れ歯だけでなく、支えとなる歯や歯ぐきも守っていきましょう。
あなたの生活を支える大切な入れ歯を、これからも快適に使っていただくために、正しい知識と日々のケアで、安心して毎日を過ごしていきましょう。

【監修・執筆】ハイライフ編集部監修

【監修・執筆】ハイライフ編集部監修
所属:ハイライフグループ
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初診相談のご案内

ハイライフの入れ歯治療は、初診で約1時間の検査を行いお悩みの原因を把握してから治療に進みます。現在のお悩みやご要望、お身体の状態などをじっくりお伺いして、お口の状態や、事前に治療が必要になる箇所、お悩みの原因になっている部分などを診察します。
診察結果を元に、治療方法、期間、費用をご説明させていただき、患者さんに十分に検討頂いてご納得されてから治療の開始となります。

初診・検査料:5,000〜10,000円程度