「入れ歯が外れる」「入れ歯をしていると痛い」。こういった状況に対処する為に、ご自身で入れ歯安定剤を使用されている方も多いのではないでしょうか?応急的に使用し、吸着が増したり痛みが緩和されたという方もいらっしゃるかと思いますが、長期に渡り入れ歯安定剤を使う事は、不具合を悪化させてしまう事があるのをご存知でしょうか?
今回は、入れ歯安定剤の種類と正しい活用方法、入れ歯が合っていない場合の対処法についてご紹介致します。
1.入れ歯安定剤の種類
入れ歯安定剤には4つのタイプがあります。入れ歯安定剤のタイプによってはお使い頂けない入れ歯もありますので注意が必要です。又、ご使用前には必ず入れ歯を綺麗に洗浄して下さい。
1-1. クリームタイプ
クリーム状なので指でも伸ばしやすく、チューブタイプで使い方も簡単です。粘着力が強い為外れにくい入れ歯安定剤です。時間と共にクリームが溶け出す可能性がありますが、飲み込んでも支障はありません。
1-2. パウダータイプ
レジン床・金属床共にご使用頂けます。水や唾液によって粘着力が出ます。唾液が少ない方ですと、粘着力があまり出ず効果を感じられない場合があります。
濡らした入れ歯全体にまんべんなく粉を振り掛けてご使用頂きます。薄く着ける事が出来る為、お口の中に入れた時の違和感が少ない入れ歯安定剤です。
1-3. クッションタイプ
レジン床にはご使用頂けますが、金属床にはご使用頂けませんのでご注意下さい。吸着力よりもクッション性に優れ、入れ歯による痛みを緩和する入れ歯安定剤です。
あまり厚く塗り過ぎてしまうと、返って入れ歯が浮いて安定しなくなってしまうので、使用量には注意が必要です。
1-4. シートタイプ
レジン床・金属床共にご使用頂けます。シートが水や唾液によって濡れる事により粘着力が出ます。
商品によって、濡らした入れ歯にシートを貼るものや、シートを予め濡らしてから入れ歯に貼るものがあります。又、シートが入れ歯の形になっているものや、ご自身でカットして頂くものもあり、上の入れ歯用、下の入れ歯用と、上下でタイプが分かれているものもありますので、使用方法などよくご確認の上ご購入下さい。
1-5. 色や味について
入れ歯安定剤は数多くの商品が販売されていますが、商品によって色や味が異なります。
色については、白いタイプとピンク色のタイプがあります。
白いタイプでは入れ歯からはみ出してしまった場合に気になるという方もいらっしゃいますが、ピンク色のタイプなら入れ歯や歯茎の色と馴染む為目立ちません。
味については、メンソールの味がするものがありますが、お食事の味が変わってしまい気になるという方もいらっしゃる為味の無いものもあります。
入れ歯安定剤の4つのタイプと併せて、色や味もご自身に合ったものをお選び下さい。
2.入れ歯安定剤の正しい使い方
2-1. 長期間使用しない
入れ歯安定剤は、応急的にお使い頂くのにはとても便利なものですが、長期間使い続けるのはおすすめしません。入れ歯安定剤を長期間使う事により、噛み合わせがおかしくなってしまったり、顎の骨が痩せてしまう事があります。噛み合わせや顎の骨の状態に変化があると、それまで使っていた入れ歯を調整してもお口に合わなくなってしまいます。
又、新しくお作り頂く際にも、まず正しい噛み合わせに戻すまでのトレーニング期間を設けなければならず、入れ歯を作るのに時間が掛かってしまいます。
入れ歯安定剤は歯科医師の指導があった場合や、歯科医院に行けない間の応急的な対処法としてご使用頂き、入れ歯に不具合がある場合は不具合の原因が何かをまず診てもらって下さい。
2-2. 就寝時は使用しない
就寝中は入れ歯安定剤を使用しない
就寝時は歯茎を休める為にも入れ歯を外してお休み頂く事をおすすめしていますが、就寝時にも入れ歯を入れていたいという方もいらっしゃいます。
就寝時にも入れ歯を装着される方は、入れ歯安定剤を付けたままの状態でお休みになるのは避けて下さい。
時間と共に入れ歯安定剤が溶け出し、溶け出したものが喉の方に流れていくと、窒息を招く恐れがあります。就寝時には必ず入れ歯安定剤を剥がして下さい。
2-3. 使用してはいけない入れ歯
コンフォート床のようなシリコーンで加工されている入れ歯にはお使い頂けません。
入れ歯安定剤を剥がす際にシリコーンが剥がれてしまったり、シリコーンにくっついて入れ歯安定剤を取り切れなくなってしまう事がある為です。
入れ歯安定剤のご使用をお考えの方は、商品のパッケージをご覧頂き、ご自身の入れ歯に使用出来るものかどうかを必ずご確認下さい。
2-4. 口腔内の異常
入れ歯安定剤に含まれる成分が合わず、発赤や腫れ、痒みなどの症状が現れる場合があります。
そういった場合はすぐに使用をやめ、歯科医師や医師、薬剤師にご相談下さい。
2-5. 入れ歯安定剤の洗浄
入れ歯安定剤の種類によっては、粘着力がとても強く剥がしにくいものもあります。
義歯ブラシを使用し、入れ歯の表面がツルツルになるまで綺麗に洗って下さい。洗浄の際に熱湯を使ってしまうと、熱によって入れ歯が変形してしまいますので、ぬるま湯で洗って頂くと良いでしょう。
3.入れ歯が合っていなかったら
お口の中の状態は常に変化しています。その為、入れ歯を作製されてからある程度の期間が経つとゆるくなってしまったり、部分的に強く当たる箇所が出て来てしまったりと、様々な入れ歯の不具合を引き起こします。もし入れ歯が合わないと感じられたら、出来るだけ早く歯科医師にご相談頂き、入れ歯の調整をしてもらって下さい。何も不具合を感じられていない場合でも、専門家の目で見ると少しずつお口の状態と入れ歯の状態が違ってきている事が分かります。定期的に検診を受けて頂くと安心です。
まとめ
入れ歯安定剤は、正しくお使い頂ければとても便利なものですが、歯科医師の指導のもと正しくお使い頂く事が大切です。又、商品によっては2〜3日連続してお使い頂けるものもありますが、その日数を超えて使い続ける事は衛生上良くありません。菌が繁殖すると、歯茎に炎症を起こす可能性がありますので、必ず用法を守って下さい。
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