2019.09.20

インプラントと部分入れ歯で悩むあなたへ利点・欠点の比較

インプラントと部分入れ歯で悩むあなたへ利点・欠点の比較

虫歯や歯周病など、歯を何らかの原因で失った際、歯医者さんで部分入れ歯かインプラント、どちらにするか聞かれることと思います。その時、どちらを選択されるか大変悩まれるかと思います。
今回のコラムでは、部分入れ歯とインプラントのそれぞれの特徴、メリット・デメリット、そして費用などを比較して詳しくご説明致します。

1.部分入れ歯とは?

部分入れ歯とはご自身の歯が残っていて、その残った歯を支えにしバネをひっかけ、無くなった歯の部分の歯ぐきに人工の歯をのせた床を作り、失った部分を回復させるものです。
バネを利用して着脱するため、取り外しはご自身で行います。食事後は外して洗浄したりもしますが、基本的には日中は装着し、外すのは就寝時のみとなります。
一般に部分入れ歯が選択されるのは、連続して欠損した部分が多くある場合など、ブリッジで対応できないケースや、ブリッジが可能でも患者様が「歯を削りたくない」と要望された場合となります。
部分入れ歯にもいくつか種類があり、保険適応のもの、保険適応外のものとがあります。
保険適応のものは、基本的には支えとなる歯に金具をかけて欠損部を覆います。
前歯にバネをかけなければいけない場合など、装着部位によっては、金具が見えてしまうこともあります。
一方、保険適応外のものには、金具を使わずに弾力のあるやわらかい特殊素材を使用することで「金具が見えないようにした」ものや、「より薄く・ぴったり特殊加工した金属」を利用して作られたものなどがあります。

部分入れ歯の種類

1-1.部分入れ歯のメリット

・清掃が簡単で清潔
部分入れ歯は先ほどもお伝えした通り、簡単に外すことができるので、残った歯や部分入れ歯をしっかりと洗浄出来るため、お口の中を清潔に保つことができます。

・治療期間が短い
インプラントに比べて比較的治療期間が短くてすみます。
必要な歯の治療期間を除いて、入れ歯製作自体は、だいたい1か月〜2か月程度で完成します。

・削らず、外科処置もない
ブリッジに比べ、歯を大きく削ることはありません。また、インプラントとは違い、外科手術を伴わないので、痛みを感じることもありません。

入れ歯に使用できる材料の種類以外に、歯科医師と歯科技工士の技術力によって、仕上がりが大きく左右されます。合わなくてお困りの場合は、入れ歯の専門医院などでの受診をお勧めします。

1-2.部分入れ歯のデメリット

・慣れるまで時間がかかる
装着時、特に使い始めは異物感を感じることが多くあります。
そのため、「話しにくい」、「舌や頬を噛む」、「擦れて痛む」といったこともあり、革靴などと同じでお口に馴染むまで、時間がかかります。新しくしてからも、何度か歯医者さんへ通い調整を行う必要があります。

・かむ力に限界がある
天然歯に比べて噛む力は20~30%といわれています。※状態や個人差があります。
そのため、あまりに強く力をかけ過ぎた場合は、歯ぐきが負けてしまい、傷がつく場合もあります。

メンテナンスを行わずに、合わない状態で入れ歯を使用していると、口の中で動きやすく、支えとなる歯にも負担がかかり、悪くなります。
口の中は、髪の毛一本入っても、気づいてしまう繊細な感覚器官です。痛くなくても定期的なメンテナンスは必要ですし、もし合わない場合は、早期に調整・修理をするか、もしくは新しい入れ歯を作り直す必要があります。お気軽にご相談ください

1-3.部分入れ歯制作の過程

1.上下の歯の型取り
2.上下のかみ合わせの検査と測定
3.部分入れ歯の仮合わせ
4.部分入れ歯の完成
5.お口に馴染むまで、何度か調整

専門歯科では、精密な型取りを行うために、材質を変えて2回型取りをするなど、治療工程が多くなる場合もあります。専門の歯科医師ほど、決してステップは外しません。無駄な工程はないのですが、しっかりとしたものを作るからには、時間と回数がかかる場合もあります。
治療にはすべて行う理由がありますので、「なぜ時間がかかるのか?」、「なぜ回数がかかるのか?」など、疑問があれば、担当の先生にお気軽にお尋ねください。

1-4.部分入れ歯が完成するまでの期間

前項でお伝えした過程での治療となりますので、治療期間はおおよそ1か月から2か月を目安にすると良いかと思います。

1-5.部分入れ歯の費用

保険適応のものと適応外のものとがあります。
保険治療適応の部分入れ歯の場合は、自己負担金は装着時に5000円から10000円くらいです。
保険適応外のものは、歯科医院での価格設定があり一律ではありませんが、1装置で大体30万円〜が相場になります。※歯数や材質により価格が異なります。

2.インプラントとは?

インプラントとは、歯がなくなった部分の骨に、チタン製の人工歯根を埋めて、その上に被せものをする治療方法です。

2-1.インプラントのメリット

・違和感が少ない
入れ歯とは違って固定式のため、取り外しのわずらわしさがありません。また、差し歯のように口の中になじみますので、装着感もいいです。

・歯を削らなくてすみ、周りの歯に負担をかけずにすむ
ブリッジとは違い、土台となる周りの歯を削る必要がありません。そのため、歯にダメージを与えることもなく、残った歯に負担がかかることもありません。

・噛む力が強い
一般に噛む力(咬合力)は自分の歯の70〜80%まで回復するといわれています。※個人差があります。

・見た目が良い
保険の入れ歯のように金具が見える事はなく、見た目はよいです。ただし、骨や歯ぐきの状態によっては、歯が長くなることもありますので、複数回の手術が必要となります。どこまで回復させるかは、担当の先生とよく相談しないといけません。

2-2.インプラントのデメリット

・外科処置が必要である
骨の中に人工歯根を埋めるため、歯ぐきを切り、骨に穴をあけないといけません。外科処置となりリスクを伴います。そのため、糖尿病や骨粗鬆症など、全身疾患を持たれている方は、手術をお断りすることもあります。また喫煙されている場合は10%成功率が落ちるともいわれています。

・費用が高額である
保険の適応外となりますので、費用が高額となります。自費治療費はそれぞれの医院で決められるため一律ではありませんが、1本あたり40〜50万円ほどかかります。

・メンテナンスが重要
インプラント治療に限ったことではありませんが、インプラント施術後のお口のメンテナンスは重要です。インプラントも素晴らしいものではありますが、天然歯にはかないません。自分の歯でも虫歯や歯周病で抜歯となることもあります。天然歯に比べ感染に弱いインプラントでは、メンテナンスができていないとインプラント歯周炎などにかかり、インプラントが脱落してしまうこともあります。

2-3.インプラント治療の過程

1. 1次オペ
歯茎を切開して骨に穴をあけ、チタン製のインプラント体(人工歯根)を埋め込みます。この状態では、インプラントは見えません。歯茎の中に埋まっている状態になります。

2.治癒期間
インプラント体(人工歯根)と骨が結合するまで、期間を置きます。期間は約3か月から6か月程度です。

3. 2次オペ
歯茎を部分的に切開し、インプラント体(人工歯根)の上に装着する被せものとの連結装置を装着します。この状態でやっと歯茎の上に装置があるのが見えます。

4.仮歯づくり
被せもの(上部構造)を作るための工程にはいります。まずは仮歯で咬み合わせや歯ぐきとの調整を行います。

5. 最終的な被せ物(上部構造)の装着
最終的な被せものを装着します。材質はセラミック製のものが多いですが、プラスチックや金属が使用される場合もあります。

※骨や歯ぐきの状態によっては1次オペ、2次オペと2回に分けずに、1度に外科処置を行う方法もあります。その場合も、治療後のインプラント体(人工歯根)と骨との結合を待つ期間は同様に設けられますので、期間としてはどちらでもそれほど大きくは変わりません。

2-4.インプラント治療が完了するまでの期間

インプラント治療は、先ほどもお伝えした通りインプラント体(人工歯根)と骨が結合するまでに待つ期間があります。
この期間は上顎か下顎かによっても差があります。一般的には下顎なら約3か月、上顎なら約半年といわれています。骨が薄く、骨を作る(骨造成術)必要がある場合はさらに6か月ほど治癒期間を設ける場合もあります。そこから、被せ物(上部構造)の作製に1~2か月ほどかかりますので、治療が完了するまでに4か月から1年近くかかることもあります。入れ歯に比べて期間が長くかかります。

2-5.インプラントの費用

費用は、保険外の自費治療になりますので一律ではありません。それぞれの医院によって違いますし、地域によっても平均的な金額は変わってくるといわれています。
しかし、目安としてはだいたい1本40〜50万前後が多いようです。いくつかの歯科医院で料金など確認してみるのが良いかもしれません。

2-6.耐久性、予後

インプラントは、メンテナンス、セルフケアをしっかりと行えば長く持たせることは十分に可能です。
しかし、インプラントの上部構造である被せ物が割れたり欠けたりといったことは、起こりえます。
また、セルフケアが十分でない場合インプラント歯周炎といったインプラントの歯周病にかかってしまうことがあります。これは天然歯の歯周病と同様に、重度になるとインプラント体ごと抜けてしまう事もある怖い病気です。正しいメンテナンスとお手入れが重要となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。部分入れ歯、インプラントそれぞれにメリット、デメリットがあります。
それぞれをしっかりと比較・理解してどちらかを選択することが大切です。
しかし、お口の中の状態は人それぞれです。噛み合わせや、残っている歯の本数や状態、歯並びなど1人として同じ人はいません。それぞれのお口にあった治療方法が必ずありますので、信頼のできる歯医者さんでしっかり診断してもらい相談してみてください。また、インプラントはお手入れがとても大切です。
お手入れによって、インプラントがどのくらいの寿命となるかが決まってくるといっても過言ではありません。ぜひ、どちらを選択した場合もお手入れや定期健診をして、長持ちさせお口の健康を守って下さい。

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【監修・執筆】加納 拓

【監修・執筆】加納 拓
所属:博多(筑紫通り加納歯科クリニック)
略歴:2007年 長崎大学歯学部卒業
2012年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科博士課程卒業
2015年 筑紫通り加納歯科クリニック開院
2017年 ハイライフ加盟
長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 歯科補綴学分野 客員研究員/臨床承認医

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