2019.10.11

目的別入れ歯洗浄剤の種類と効果効能のすべて

目的別入れ歯洗浄剤の種類と効果効能のすべて

入れ歯を清潔に保つために、入れ歯洗浄剤などによる清掃はとても大切です。
入れ歯の清掃を怠りますと、入れ歯の表面にデンチャープラークとよばれる白いカス状のものが生じ、口臭の原因になったり、歯茎に炎症を起こしたりします。
それだけでなく、汚れ部分の細菌が肺に入ることで、誤嚥性肺炎という肺炎の原因にもなります。
残された歯をこれ以上失わないためにも、入れ歯の清掃はとても重要です。
そこで、今回は入れ歯の洗い方や、入れ歯洗浄剤の効果効能について説明します。

1.正しい入れ歯の洗浄方法

入れ歯の正しい洗い方について、以下に流れを追って説明します。入れ歯を洗浄する際に、入れ歯をおとすことで入れ歯を破損してしまうことがありますので、それを防ぐためにも洗う時には洗面器などに水を張って、その上で洗浄することをお勧めします。

①入れ歯を外す
入れ歯をつけたままでは、入れ歯を磨くことはできません。必ず外して洗いましょう。

②水、もしくはぬるま湯で流す
入れ歯の表面についた大きな汚れをまず、水やぬるま湯で洗い流しましょう。

③入れ歯専用ブラシを使う
入れ歯をブラッシング
細かな汚れは、水を流しながら入れ歯専用のブラシを使って掃除しましょう。この時、強い力を加えずに、優しくていねいにすることを心がけてください。強い力を加えると、入れ歯が歪んでしまうことがあります。

④水やぬるま湯ですすぐ
汚れを取り除いた後は、水やぬるま湯ですすぎましょう。

⑤入れ歯洗浄剤につける
入れ歯を水につける
入れ歯洗浄剤を水やぬるま湯に溶かして洗浄液を作ります。そして、入れ歯を洗浄液に浸しましょう。適切な水温や浸す時間は、入れ歯洗浄剤の説明書に書いてあります。

⑥洗浄液をすすぐ
洗浄液に浸した入れ歯を水で洗い流しましょう。なお、一度使った洗浄液は、再使用しない様にしてください。洗浄力が低下した上に、取れた汚れが含まれて不衛生だからです。

2.してはいけない入れ歯のお手入れ

2-1.歯ブラシを使う

通常の歯磨きに使う歯ブラシを使って入れ歯を掃除してはいけません。普通の歯ブラシの毛先は、入れ歯にとっては硬すぎます。入れ歯の表面に小さな傷をつけてしまい、その部分に細菌が繁殖する温床を作ってしまいます。

2-2.歯磨き粉で磨く

普通の歯磨き粉で磨くことも入れ歯にとってはよくありません。歯磨き粉には研磨剤が含まれています。歯ブラシで磨くことと同じく、入れ歯に傷をつけてしまいます。歯磨き粉を使って入れ歯を磨くことはやめましょう。

3.お口の清掃

特に総入れ歯の時に多いのですが、入れ歯の洗浄ばかりに目がいってしまい、お口の清掃を忘れてしまうことがあります。お口をきれいに保つことも、入れ歯の洗浄とともにかかせません。汚れが残ったままにしていますと、歯茎が腫れたりするだけでなく、誤嚥性肺炎の原因になることもあるからです。

3-1.うがい

入れ歯を洗っている間、うがい薬などを使い、同時に清潔にする様にしましょう。うがい薬でうがいをするのはさほど難しくないですし、入れ歯の洗浄時に同時に行なえば、時間の節約にもなります。

3-2.お口全体の清掃

柔らかめの歯ブラシを使って、お口の粘膜や舌を清掃しましょう。

3-3.残された歯を磨きましょう

部分入れ歯の場合、残された歯の歯みがきも大切です。特に、歯の入れ歯に接している面や、歯と歯の間の面などを入念にみがく様にしてください。そのために、歯ブラシ以外に歯冠ブラシや糸ようじなどを使う様にしましょう。

・歯間ブラシと正しい使い方については、以下の記事で詳しく説明しています。
専門家監修|おすすめの歯間ブラシと正しい使い方で防ぐ3つの病気

4.入れ歯洗浄剤の持つ働き

入れ歯洗浄剤は、いろいろな会社から様々な製品が販売されています。しかし、入れ歯洗浄剤の目的は基本的に同じなので、それぞれの持っている機能についても共通です。
①殺菌
②洗浄
③消臭
④歯石の予防
どのメーカーの製品を選んでも、概ねこの4つの働きを持っています。

5.入れ歯洗浄剤の選び方

入れ歯洗浄剤は、成分から大きく分けて3種類に分類されます。それぞれの特性から、自身に一番あうものを選びましょう。

5-1.過酸化物系

入れ歯洗浄剤の中では、もっとも普及しているタイプです。発泡作用があり、泡の力で汚れや着色を取り除きます。殺菌力はそれほど強力ではありませんが、その反面、安全性が高いのが特徴です。

5-2.次亜塩素酸系

入れ歯洗浄剤の中では、最も殺菌力が強いタイプとなります。また、漂白作用にも優れていますので、着色汚れを取り除く点でも優れています。その反面、洗浄力が強いために長時間にわたり入れ歯を浸しすぎると、入れ歯そのものを傷めてしまう可能性があります。

5-3.酵素系

酵素の働きを利用して、細菌や食べカスのタンパク質を分解して洗浄力を発揮するタイプの入れ歯洗浄剤です。安全性が高い反面、漂白作用はほとんどありません。

6.おすすめの入れ歯洗浄剤

入れ歯洗浄剤はさまざまな製品があります。そのうち、5つほどピックアップして紹介します。なお、お値段に関しては、あくまでも参考です。お店によって違いがあることをご了承下さい。

6-1.デントスター ダブルパワー

デントスターダブルパワー
歯科医院で販売している入れ歯洗浄剤です。発泡作用で洗浄力を発揮します。通常の汚れの場合は、5分ほど浸せば十分です。特に汚れがひどい場合は、一晩浸しておくと効果的です。また、カンジダ菌というカビ菌を防ぐための抗菌酵素を配合していますので、除菌力も期待できます。
お値段は1000円ほどです。

6-2.アース製薬 ポリデント

ポリデント
発泡作用の入れ歯洗浄剤です。酵素が配合されており、除菌率99.9%を誇ります。また、漂白剤も入っているため、汚れを落とす作用も優れています。
お値段は800円ほどです。

6-3.小林製薬 タフデント

タフデント
発泡作用の入れ歯洗浄剤です。バイオ酵素配合により除菌率99.9%です。除菌力だけでなく洗浄力にも優れ、入れ歯のヌメリやネバツキも落とせます。
お値段は900円ほどです。

6-4.シオノギ製薬 さわやかコレクト

corect
カテキンや銀イオンなど抗菌成分を配合しており、入れ歯をしっかりと洗うことが出来ます。臭いを取り除く働きもしっかりしています。
お値段は800円ほどです。

6-5.ロート製薬 ピカ

入れ歯洗浄剤ロートピカ
カンジダ菌をとかす酵素を配合しています。2種類配合された洗浄剤の作用で、目に見える汚れだけでなく、見えない汚れまできれいに取り除きます。いやなニオイもしっかり取ってくれます。
お値段は900円ほどです。

6-6.バイテック・グローバル・ジャパン クリネシリーズ

入れ歯洗浄剤クリネシリーズ
金属などを使用した入れ歯の材質や、付着する汚れの種類に合わせた専用洗浄剤です。
カンジダ菌除去に優れた「クリネ」、歯石など固まってこびりついた汚れを溶かして白くする「メルト」、入れ歯の金属の部分をくもりから守り、黒ずみを抑える「メタルガード」、茶渋やコーヒーによる黄ばみ・タバコのヤニなどを短い時間で白くする「ホワイト」などがあります。

まとめ

入れ歯は入れ歯洗浄剤を用いて、きちんときれいにしておくことをお勧めします。不潔にすると、表面に白いカス状の汚れが付いてきます。これをデンチャープラークといい、その正体は細菌の塊です。そのままでおいておくと、入れ歯のニオイや、歯茎の炎症の原因となったりします。また、部分入れ歯の場合は、残された歯にむし歯や歯周病を生じる原因にもなります。
入れ歯洗浄剤のそれぞれの特性や、入れ歯をどのように洗浄したいかなどを考慮のうえ、選んでご使用いただき、入れ歯とお口を綺麗に清潔に保ちましょう。

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【監修・執筆】ハイライフ編集部監修

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