2019.12.06

いつまでも健康な歯茎でいられる4つの習慣

いつまでも健康な歯茎でいられる4つの習慣

歯周病が原因で起こる、さまざまな病気やトラブルが取り上げられることが多くなり、健康な歯茎はますます重要度を増しています。今回は健康な歯茎を保つためにホームケアでできること、そして歯科医院で行う歯茎のケア方法について紹介していきます。

1.健康な歯茎とは

まず、健康な歯茎とはどんなものかを確認しておきましょう。健康な歯茎とはこのような条件を満たした歯茎です。

1-1.歯茎の色は薄いピンク色をしている

よく、「歯茎の色は?」と質問すると「赤色」というお答えを多く受けます。けれども赤い色の歯茎は健康な状態ではなく、実は「炎症」のある状態なのです。
皮膚と同様に歯茎にもメラニン色素の沈着は見られるので、人によってはもともとの歯茎の色調が茶色っぽくなっている方もおられます。けれども健康な状態は赤や赤紫、赤黒いなどではなく「薄いピンク色」だということを憶えておいてください。

1-2.歯と歯の間に入り込む歯茎の形はきれいな三角形になっている

歯と歯の間の部分にある歯茎の形は、先端の尖った三角形の形をして硬く引き締まっているのが健康な状態です。歯茎に炎症が起こるとこの三角形の先端が円くなり、三角形の辺の形も乱れてきます。

1-3.歯茎表面にスティップリングと呼ばれる小さなくぼみがある

健康な歯茎の表面を乾かしてよく見てみると、スティップリングと呼ばれる細かなくぼみが見られます。これはミカンやオレンジなどの柑橘類の皮の表面の状態に似ています。スティップリングは歯槽骨と歯肉をつなぐコラーゲン線維の張力によって生じます。

スティップリングが見られるということは、歯茎のコラーゲン線維が破壊されずに健全に保たれているという証拠です。歯茎に炎症が起こってこのコラーゲン線維が破壊されるとスティップリングは消失するので、歯茎に炎症があるかどうかを判断する手掛かりとなるのです。
スティップリングの状態は年齢によっても変化するので、歯茎の炎症の一つの指標としてとらえてください。

1-4.歯磨きでの出血や膿・口臭がない

歯茎に炎症がないと、通常の歯磨きで歯茎から出血することはありません。また、膿や口臭などのトラブルも、健康な歯茎では認められないものです。奥歯の裏側など、お口の中でもよく見えない部分の炎症は、歯磨きの時の出血で気付くことがあります。このようなサインにも注意しておきましょう。

2.歯茎を健康にする6つのケア

歯茎の健康のためにできることにはどんなことがあるでしょう?ホームケアと歯科医院でのスペシャルケアの方法をご紹介します。

2-1.ホームケアでできる4つのこと

2-1-1.歯磨きを最低1日2回は行って歯茎の炎症を防ぐ

毎食後1日3回の歯磨きを励行していただきたいところですが、なかなか難しい事情もあることと思います。
歯垢を歯や歯茎に長時間残したままにせず歯茎の健康を守るためには、最低限、1日2回、朝と夜の食後の歯磨きを行っていただきたいものです。
朝の歯磨きは、夜の間に低下した唾液の自浄作用で、お口の中に増殖した細菌数を減らすため。夜の歯磨きは、就寝中に増加するお口の中の細菌を少しでも増やさないためです。昼食後や間食後の歯磨きができない場合でも、食後によく口をすすいだり、デンタルリンスで除菌しておくのも効果的です。

2-1-2.寝る前は丁寧な歯磨きを行い入れ歯などは外して就寝する

就寝中は唾液の分泌量が減り、お口の中で歯茎に炎症を起こす細菌の活動が盛んになります。夜寝る前の歯磨きは特に念入りに行います。
取り外せる入れ歯を使用している方は、入れ歯の清掃も同時に丁寧に行います。
また、就寝中の入れ歯表面での細菌の繁殖を防ぐためにも、入れ歯は取り外して指示された方法で保管しておきます。

2-1-3.歯垢の溜まりやすい場所を重点的にケアしておく

口の中には細菌の塊の歯垢が溜まりやすい場所があります。
それは唾液による自浄作用の起こりにくい場所で、歯と歯茎の境目や歯の裏側、頬の内側に接する歯の部分、歯と歯茎の境目や隣同士の歯と歯の接する部分です。
これらの部分の歯垢の取り残しは、周囲の歯茎の炎症の原因になります。歯磨きの時には歯垢の溜まりやすい部分を鏡で確認しながら丁寧に歯ブラシでブラッシングします。その後、歯ブラシでは落とし切れない部分の歯垢を落とすために、デンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシなどの補助清掃道具を必要に応じて使用しましょう。
毛先の状態の良い歯ブラシを使用して丁寧に歯を磨いても歯垢の60%しか落とせないので、これらの補助清掃道具は歯茎の健康のためには必需品です。

2-1-4.唾液の分泌を促し、歯茎の血行を促進する行動も意識してみる

唾液は食事前の唾液腺周辺のマッサージや、食事中に食べ物をよく噛むことで分泌が促進されます。歌を歌ったりおしゃべりしたりと積極的に口を動かすことでも促進されます。唾液の分泌がよくなると、お口の中の細菌の増殖も抑えられるので歯茎の健康が保てます。
また、歯磨きの後や入浴中に歯茎のマッサージを行って歯茎の血行を良くするのも、歯茎の健康に役立ちます。

2-2.歯科医院でできる2つのこと

歯科医院ではホームケアではカバーしきれない歯茎のためのケアを行うことができます。

2-2-1.定期検診と専門的なクリーニングで歯茎の健康が保てる

歯科医院では患者様のお口の中の状態に合わせて、定期的な歯茎のメンテナンスを行うことができます。定期検診では歯や歯茎の状態を目視で確認するほか、レントゲン撮影やプローブという器具を使って歯周ポケットの深さや歯槽骨の状態を調べ、歯周病の徴候や進行を定期的にチェックすることができます。
また、定期検診の度に、取りきれていなかった歯垢や知らない間についていた歯石もクリーニングしてもらえるので、歯茎の健康を保つ上で非常に効果があります。
日々のセルフケアに加えてこのような専門家によるプロフェッショナルケアを受けると、専門器具を使わないと除去できない歯石を早い段階でしっかりと除去できるので、歯周病の進行やそれに伴う歯茎の下がりを遅らせることができます。

2-2-2.歯周病になっていても適切な治療とケアで長く歯と歯茎の健康が保てる

日本では自覚していなくても知らない間に歯周病にかかっている方が多くおられます。たとえ歯周病になっていても、必要な治療と正しいケアを根気強く行えば、歯茎の状態は改善していきます。早い段階で歯茎の異常に気づけば、歯科医院では必要な治療と、患者様のお口の状態に合ったセルフケアを提供してもらえます。そうすれば、歯茎の異変に気付いても「まだまだ大丈夫だろう」と放置してしまった方よりも、結果的に長く歯と歯茎の健康を保てることになるのです。

3.歯茎に悪い影響を及ぼす5つのこと

正しいブラッシングをはじめとする毎日のセルフケアと、歯科医院での定期的なメンテナンス以外にも、歯茎の健康を左右する要因があります。

3-1.合っていない被せ物

インプラント術後に痛みのある人のイメージ
全体的にお口の衛生状態がよく保たれていても、特定の被せ物をした歯の周囲の歯茎が繰り返し赤く腫れる、出血、痛みなどの症状が現れる時には、被せ物の縁の部分と歯との適合が悪くなっている場合があります。合わない被せ物があると、被せ物の周囲が清掃不良になって歯茎のトラブルが起こります。これらの症状は被せ物を適合の良いものに作り替え、歯のクリーニングを歯科医院で行ってもらうことで改善できます。

3-2.タバコ

たばこの写真
タバコは歯周組織に張り巡らされた毛細血管の血行不良を起こします。また、タバコの煙は口腔内を乾燥させ、唾液の分泌も抑制するので、歯周病菌と戦う免疫力を維持するために欠かせない唾液の作用も低下させます。また、タバコの煙には発がん物質をはじめとする口腔粘膜に悪影響を及ぼす多くの化学物質も含まれているので、歯茎の健康のためには禁煙や減煙が望ましいです。

3-3.睡眠不足や口呼吸

睡眠不足は体全体の免疫力を低下させるので、歯茎の健康のために適切な睡眠時間を確保するのは大切なことです。また、いびきや睡眠時無呼吸症などによって口呼吸で口の中が朝起きた時にカラカラになっていないでしょうか?口の中が乾燥すると唾液の免疫作用が低下して歯周病が悪化します。また、いびきや睡眠時無呼吸症は睡眠を浅くするので、睡眠不足による免疫力低下を招き、歯周病治療に悪影響を及ぼします。

3-4.ストレスなどによる免疫力の低下

ストレスによって交感神経優位になると唾液の分泌量が減少して、歯周病菌が繁殖しやすい環境になります。また、ストレスで知らず知らずのうちに歯を食いしばったり噛みしめたりすると、歯周病でもろくなった歯周組織にさらにダメージを与えてしまします。できるだけストレスをためないように生活の工夫を行うことも、歯周病を進行させず歯茎の健康を保つために大切なことです。

3-5.歯周病と関係する全身疾患

近年、多くの全身疾患が歯周病と密接に関係していることが指摘されています。特に糖尿病、感染性心内膜炎、誤嚥性肺炎、脳梗塞などは病状の悪化が歯周病の進行度合いと連動しており、注意が必要なものです。
これらの全身疾患の管理の良し悪しも歯茎の健康に大きく関わるので、歯周病治療を受ける際には、かかりつけ医にも相談して医科と歯科の連携を図ってもらうようにしてみましょう。

まとめ

いつまでも健康な歯茎でいられる4つのホームケアはいかがだったでしょうか?
特に歯周病の治療を受けられた方には、その後の歯科医院での定期的なメンテナンスは欠かすことのできないものです。
歯茎の健康は、ホームケアと歯科医院でのプロフェショナルケアの両輪で守られます。
正しいホームケアと、かかりつけの歯科医院での定期検診を行い、歯茎の健康を守っていきましょう。

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【監修・執筆】高津 大弥

【監修・執筆】高津 大弥
所属:横浜十日市場(たかつ歯科医院)
略歴:1993年 日本大学松戸歯学部卒業
1993年 日本大学松戸歯学部 補綴学第一講座(現:顎口腔リハビリテーション学)入局
2002年 たかつ歯科医院 開院
2002年 日本補綴歯科学会会員
2002年 顎咬合学会認定医
2015年 ハイライフ加盟
日本大学松戸歯学部有床義歯補綴学講座

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