最近、歯磨きをする度に、出血がある!歯茎から膿や血が出ている!朝起きると口の中がネバネバする!など、お口の中の変化に気が付いているのに、そのまま放置していませんか?今回は歯茎から出血するいくつかの原因や、その対処方法についてお話していきます。
1.歯茎から出血する原因
歯茎から出血する、約90%の原因は「歯周病」です。歯周病が原因となる出血について、またその他の出血の原因についてもふれていきたいと思います。
1-1. 歯周病からの出血
歯茎からの出血は、歯周病の最も分かりやすいサインです。歯周病の初期は、自覚症状が殆どなく、歯茎が赤く腫れる歯肉炎になります。放置しておくといつのまにか炎症が強くなり、歯茎から膿や血が出たり、口臭を伴います。ブラッシング時に頻繁に出血するようになったら、かなり歯周病が進行しているかもしれません。
1-2.歯周病以外の出血する5つの原因
1-2-1.ブラッシング時など、ホームケアによる出血
間違ったブラッシング方法や、自分のお口に合っていない、歯ブラシや歯間ブラシなどを使用して、出血する場合があります。歯茎に炎症がある時に、硬い歯ブラシを使用し、症状を悪化させてしまったり、歯間ブラシを無理やり入れることにより、歯肉に傷が付き、出血の原因となることもあります。
1-2-2.生活習慣による出血
生活習慣では、主にタバコが原因となって、血流が悪くなり、歯茎に炎症を起こし、出血しやすい状態になります。喫煙する人は、喫煙しない人に比べ、歯周病にかかりやすく、症状の悪化にもつながります。
1-2-3.ホルモンバランスの変化による出血
妊娠中や更年期など、女性ホルモンバランスの変化により、歯周病が悪化し、歯茎から出血しやすい症状となります。
1-2-4.薬による出血
抗血小板薬や、抗凝固薬を飲んでいると、歯茎から出血が見られることがあります。この薬の効果である血液をさらさらにし、血液の流れをよくすることから、血が止まりにくいという症状も出ることがあります。降圧剤を飲んでいる場合も、歯茎に影響が出て、出血の原因となることがあります。
1-2-5.病気が原因となる出血
血友病や、白血病、再生不良性貧血、血小板減少性紫斑病、ネフローゼ症候群などの病気の症状として、歯茎の出血があります。歯茎の腫れもないのに、出血が続いている。ブラッシングで傷が付き、出血が止まりにくい、などの症状がある場合は、稀に重大な病気の可能性があります。
2.そのまま歯周病を放置するリスク
歯周病は様々な病気と関わりがあり、特に糖尿病とは深い結び付きがあります。糖尿病の90%以上の方は、歯周病に関わっているとも言われています。歯周病の原因となる歯周病菌には、血糖値を下げるホルモンのインスリンの働きを阻害し、症状を悪化させると考えられます。糖尿病患者が、歯周病治療を行った所、糖尿病の症状に改善が見られ、成果もあがっています。その他、歯周病の人は骨粗鬆症、心臓疾患、脳梗塞になる確率が高いとの報告もあります。
こうした病気を防ぐにも、歯周治療の必要性が重要だと分かります。歯茎から出血のサインあった場合は、とにかく放置をせず、検査・治療を進めることが大切なのです。
3.出血がある時に自宅でできる3つのこと
3-1.適切な歯ブラシを選択する
歯茎から出血があると、ブラッシングをするのが怖くなります。出血をするからと、ブラッシングを怠ると、お口の中の細菌が更に活発になり症状を悪化させてしまいます。
歯周病の根本的な原因は歯垢なので、ブラッシングにより除去することで症状を改善していくことができます。ただ、出血と共に、痛みがあると、歯ブラシを当てるのもつらいものです。そんな時は、やわらかい毛の歯ブラシに変え、優しく磨いて下さい。
・歯ブラシの種類について
歯ブラシの毛の硬さや歯ブラシの大きさの、バリエーションは、意外とたくさんあります。
硬め・普通・柔らかめに分かれ、メーカーによっては、更に柔らかいSS(スーパーソフト)もあります。歯肉の術後や、歯周病で腫れがある時、出血がある時に使用する専門の歯ブラシもあります。
また、歯と歯茎の間や、歯並びの悪い所を磨く、毛先が筆の様な形態になっている、部分用歯ブラシもあります。歯科医院に相談して、自分に合った歯ブラシを選択しましょう。
3-2.歯の磨き方を見直す
歯周病予防のために、強い力を入れてゴシゴシと歯を磨いていませんか?
磨く時に力を入れすぎることが、出血の原因となり、かえって歯茎の炎症を引き起こしているかもしれません。ブラッシングは、単にプラークを取り除くのみではなく、歯肉をマッサージする効果もあります。歯肉に適切な圧力を与えることで、歯肉の血液循環を改善させることも目指します。
歯ブラシの先端を歯と歯肉の境目を中心に45度の角度であて、細かく振動させるイメージで磨いて下さい。炎症がある時は決して強くこすらないようにしましょう。
ブラッシング時の出血が止まってきたら、歯と歯の間などのプラークを取り除く、補助清掃用具の歯間ブラシやデンタルフロスを使用することで、更なる改善が期待できます。
補助清掃用具を使用する時も、歯茎を傷付けないように、十分に注意しましょう。
・ブラッシングの圧力の目安
ブラッシングの圧力は、手の甲に歯ブラシを当てて、毛先が広がらない程度の力が目安です。歯と歯肉の間に毛先を当てた時に気持ちが良いと感じる程度で行ってみましょう。
3-3.歯磨き粉や洗口剤を変える
出血のある時に、刺激の強い歯磨き粉や、洗口剤を使用しないようにしましょう。
歯周病専用の、研磨剤の配合されていないジェル状の歯磨きペーストがあります。
洗口剤を選ぶ時も、アルコールの配合が高いものは、炎症に対して刺激が強いため避けましょう。刺激の少ない、歯周病菌の殺菌効果があるものを使用しましょう。
・歯周炎に効果のあるお勧めの歯磨きペースト
1. 歯科専用 「ケアポリス」(株式会社 オーラルプラス)
歯周病の原因菌に対する抗菌作用の高い、プロポリスを配合。ポケット内をなぞるようにペーストを歯ブラシに付けブラッシングを行います。
口内炎や、口腔内のカンジタ菌を抗菌する作用があるとも言われています。
2. フッ素コート歯磨きジェル 「ジェルコートF」 (ウェルテック)
虫歯の発生及び進行、歯周炎の予防、口臭予防を目指した歯磨きジェル。歯ブラシに付けてブラッシングした後、もう一度、歯面に行き渡せるようにブラッシングし、軽くうがいすることで、更に効果を高めます。
4.歯科医院での治療方法方法
歯茎からの出血の殆どの原因が歯周病です。大切な歯を失ったり、命に係わる病気に直接つながる、歯周病を進行させないためには、いったいどうしたらいいのでしょうか?
それには歯科医院での検査と治療が重要になります。
4-1. 歯周病検査!3つの種類
・歯周検査
問診、歯周ポケットの深さ、歯垢のチェック、噛み合わせの検査、X線撮影などを行います。
・唾液検査
唾液には、食べ物の消化を助けるだけではなく、虫歯や歯周病からお口の中を守る、大切な役目があります。まずは、唾液の量を測ったり、唾液の中和力、歯周病菌の量、常在菌の有無も調べることができます。
・血清抗体検査
指先から血液を採取して、歯周病菌感染の度合いや、抵抗力を測ることが可能です。
4-2. 歯科医院での歯周病の治療について
4-2-1. 軽度の歯周病
検査により歯周病であると診断された場合には、歯周病の原因となる歯垢や歯石を取り除きます。治療期間中には、ブラッシング指導(TBI)を受け、正しい歯の磨き方や、ホームケアで使用する口腔ケアの道具の選択も教わります。その後再び歯周検査を行い効果の確認をします。通院の間隔にもよりますが、治療は約一か月程度になります。
4-2-2. 中~重度の歯周病
歯肉に膿や出血を伴う場合は、排膿を行い、炎症を抑える投薬も行うことがあります。
症状によって、歯周ポケットの深い部分の歯石を除去する、ルートプレーニングを行います。それでも除去できない歯石が歯根に残っている場合には、外科的な手術で除去し、歯槽骨の整形や、歯肉の再生をします。
最近では、歯周外科治療時に、レーザーを応用し、歯肉の形態修正やメラニン色素除去を目指した、痛みの少ない治療法も期待されています。
治療後も、定期的な検査メンテナンスが必要となりますので、約2か月~1年の治療期間が必要となります。
まとめ
自覚症状もなく、いつの間にか進行してしまう歯周病。
歯茎の出血や、お口の変化を見逃さす、気になることがあれば、早めに歯科医院に相談しましょう。
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