2020.01.24

歯がしみる8つの原因と自宅/歯医者での治療法

歯がしみる8つの原因と自宅/歯医者での治療法

アイスクリームやかき氷を食べていて、急に歯がしみる感じでキーンと痛くなり、思わず食べるのをやめてしまった経験ありませんか?
冬場の歯磨きの後のうがいで冷たい水道水を口に含んだ時に、歯がしみてきた経験はありませんか?
そんなとき、どんな原因が考えられ、それに対してどのような治療法があるのでしょうか?
今回は、歯がしみる時に、そのまま放置しないために、考えられる8つの原因と、歯科医院での治療方法、自宅での対処法を詳しく解説します。

1.歯がしみる原因ってなにがあるの?

歯がしみる原因は、やはり最も多いのが虫歯になります。虫歯を治した後にもしみてくることもあります。
象牙質知覚過敏症という病気もあります。そして、他にもいくつかあります。わかりやすくまとめてみました。

1-1.虫歯

虫歯になると、しみるというよりも痛いというイメージが先行します。
しかし、虫歯の初期の段階であれば、痛み止めを使わなければならない様な痛みよりも、冷たい水が歯にしみるような症状の方が多いです。

虫歯の進行イメージ

虫歯の進行度は、虫歯の穴の深さで分類されます。
C1:エナメル質という歯の最も外側の層で虫歯が留まっている状態
C2:象牙質というエナメル質の内側まで虫歯が進んだ状態。
C3:象牙質の内部にある歯髄という歯の神経にまで虫歯が進行した状態
C4:歯の根がわずかに残るほどまでに虫歯が進んだ状態
以上の4段階に分類されます。このうちC1あたりで症状が現れてくれば、その症状のほとんどが「歯がしみる」ような痛みとなります。
ただし、C1であれば、この「歯がしみる」という症状さえも認められないことがあります。

1-2.虫歯を治した後の痛み

C1もしくはC2くらいの虫歯であれば、歯の神経を残しつつ虫歯を治すことが多いです。
このとき、採用される治療法が、コンポジットレジン修復もしくは、インレーです。コンポジットレジン修復は、歯の色によく似たプラスチックを用いた虫歯の治療法です。虫歯を削りその日のうちに、コンポジットレジンを詰めて終わりますので、治療期間も短く、色も歯の色によく似ており、目立ちにくい特徴があります。インレーは、奥歯によく用いられる虫歯の治療法で、歯型をとって金属の被せものを詰めて治す方法です。
コンポジットレジン修復治療は、強度の面で不安があるため、咬む力が強くかかる箇所には適しません。保険診療のインレーは金銀パラジウム合金という金属が使われます。いわゆる銀歯の一種なので目立ちますが、コンポジットレジンより強度が強く、欠けにくい、とれにくいといった特徴があります。
ところが、こうしたコンポジットレジンやインレーは、歯本来の素材とは性質が異なります。歯がしみるときに問題となるが、熱伝導性とよばれる熱の伝わりやすさの違いです。特にインレーは金属製なので、なおさらです。
こうした材料の性質により、治した後に、歯に冷たいものの刺激が伝わりやすくなります。特に、治療直後は、歯の神経が敏感になっているので、起こりやすいです。
虫歯が、歯の神経までにはいたらなかったときでも比較的深かった場合は、歯がしみてくるリスクがより高くなります。その他、甘いものがしみてくることもあります。

1-3.象牙質知覚過敏症

知覚過敏がおきるメカニズム

象牙質知覚過敏症とは、虫歯がないのに、特に冷たい水などの刺激で歯がしみてくる病気です。いわゆる知覚過敏です。これは特に、歯茎が歯周病で減ってきて、歯の根(歯根といいます)が出てきた様な時に多く認められます。また、そうでないときにもエナメル質が減ってきたりすれば起こりえます。
エナメル質が減ってくる原因としては、歯ぎしりや食いしばりによるすり減りや、酸を用いた業務環境などにより歯が溶かされてくることが考えられます。
しみる時の強さにはいろいろありますが、共通していることは冷たいものによる刺激でしみる、しみるのは一過性である、噛んだ時に歯に響く様な痛みがないという点です。

1-4.くさび状欠損

稀に、歯の頭(歯冠といいます。)の歯茎に近い場所が、大きくくぼんでいることがあります。これをくさび状欠損といいます。
くさび状欠損は、歯の表側にも、裏側にもできます。以前は、歯磨きのし過ぎといわれていました。しかし、最近ではそういう考え方は否定的です。
また、歯ぎしりをすることにより、この部分に歯のたわみの力が集中することで、少しずつ歯がくだけてきたことが原因と考えられています。
歯冠の付け根付近が削れてくることにより、歯の神経への距離が近くなり、歯がしみやすくなってきます。

1-5.歯周病

歯周病の説明図

歯周病も歯をしみさせる可能性のある病気のひとつです。歯周病になると、歯槽骨という歯を支える骨が減ってきます。それにともない歯茎もやせてきます。
歯茎がやせても、歯の形は変わりませんから、歯根が露出してくることになります。この部分は、本来歯茎の中で守られており、外気に接触するところではありませんから、もともと刺激に弱い部分です。
歯周病の進行に伴い、そのようなところが露出してきますので、歯がしみてくるようになります。

1-6.歯の破折

外傷などにより歯がまっぷたつに割れると、激痛が走り、非常に痛みます。
しかし、歯冠の一部だけが破折した場合は、歯がしみるようになります。なお、外傷に限らず、食いしばりや歯ぎしりでも歯が欠けてくることがあります。

1-7.中心結節の破折

小臼歯とよばれる、中心から数えて4番目と5番目の歯によく起こります。小臼歯の表面に、歯の神経から続く小さな出っ張りがあることがあります。
食事の際に噛み合わせることで徐々にすり減ってなくなってくるのですが、稀に、すり減りきる前に折れてしまうことがあります。
根元で折れてしまうと激痛が走るのですが、先端付近で軽く折れた程度であれば、歯がしみる程度の痛みを生じます。なお、これは、大人にはほとんど認められず、小学校高学年から中学生前後に多いです。

1-8.ホワイトニングの副作用

ホワイトニングの薬剤の副作用に、歯がしみるという症状があります。これは、歯科医院で行なうオフォスタイプのホワイトニング、自宅で行なうホームタイプのホワイトニングともに起こりえます。この時の症状は、冷たいものや歯磨きの刺激でツンと歯がしみることが多いようです。

2.歯科医院で行なわれる歯がしみるときの原因別治療法

2-1.虫歯

C1クラスの虫歯が原因で歯がしみてきているのであれば、虫歯の治療が第一選択となります。

2-1-1.コンポジットレジン修復

コンポジットレジンでの修復

コンポジットレジンとは、歯の色に近似したプラスチック製の修復材料です。コンポジットレジンは、その日のうちに削って詰めることが出来ますので、治療期間が非常に短い上に、歯の色に似ていますので目立ちにくい利点があります。

2-1-2.インレー修復

コンポジットレジンでは、強度が足りないと予想される場合、特に奥歯の噛み合わせの面に出来た虫歯については、インレー修復が適応されることがあります。
これは、虫歯を削った後、歯型をとり、後日歯型を元に作られた金属製の詰め物を詰める治療法です。金属製なのでコンポジットレジンよりも強度が高く、欠けたりしにくい反面、銀色の詰め物ですので見た目がよくないという欠点があります。
そこで、保険外診療では、見た目を改善するために、セラミック製のインレー修復が行なわれることがあります。

2-2.虫歯を治した後の痛み

コンポジットレジン充填やインレー修復をした後に、歯にしみる症状があらわれることがあります。
軽い症状であれば、経過観察となります。
この場合は、たいてい時間の経過とともに慣れてきて、症状が消えていきます。しかし、痛み止めを飲まないといけない様な痛み、もしくはそこまで痛くはなくとも、食事などの日常生活に影響が出る場合は、歯の神経をとらなければならないこともあります。

2-3.象牙質知覚過敏症

象牙質知覚過敏症に対しては専用の薬が発売されています。いろいろな会社が、それぞれ特徴のある製品を販売しております。
知覚過敏用の薬剤は歯科医院で歯科医師・歯科衛生士の管理の元でしか使用出来ません。まずは、かかりつけ歯科医にご相談ください。

2-4.くさび状欠損

歯冠の付け根がくぼんでしまうくさび状欠損に対しては、くぼんだ部分をコンポジットレジンなどで埋めることで、歯のしみる症状の改善を図ります。

2-5.歯周病

歯周病が原因で歯茎がやせた場合、残念ながらその歯茎が元に戻るのは期待しづらいです。
現時点でも、歯周組織の再生治療もありますが、すべての症例に適応されるわけではありません。歯茎がやせたことにより歯がしみてくる場合は、歯周病の管理をしっかり行ない、さらに歯茎がやせて行くことがないようにすることが大切です。その上で、知覚過敏症の薬を塗布するなどの処置を行なうことになります。

2-6.歯の破折

歯の破折した箇所が、歯の表面に留まっていれば、そこをコンポジットレジンやインレー、または銀歯などで覆うことで、しみる症状の改善を図ります。ただし、歯の中の方まで破折による亀裂が入っている場合は、歯の神経をとらなければならないことがありますし、破折の仕方によっては、抜歯となることもあります。

2-7.中心結節の破折

中心結節が破折した場合は、破折した部分が先端部かどうかに関わらず、歯の神経をとる治療法を選ぶことになります。

2-8.ホワイトニングの副作用

ホワイトニングの薬の副作用による症状であれば、ほとんどが一過性です。まずホワイトニングを一時中断します。そして、象牙質知覚過敏症の薬を塗布し、経過観察します。
症状が消失すれば、ホワイトニングは再開出来ます。

3.自宅で出来る歯がしみるときの対処法

これは基本的に歯科医院で象牙質知覚過敏症の薬を塗布して治療する様な症例に限ります。
この場合の自宅で出来る対策としては、象牙質知覚過敏症の改善効果のある歯磨き粉を使うことがあげられます。これはドラッグストアなどで発売されています。知覚過敏症用歯磨き粉を購入し、毎食後の歯磨きの際に使うことで、歯科医院での象牙質知覚過敏症の薬の塗布とあわせた効果で、早期の改善を図ることが出来ます。
ただし、象牙質知覚過敏症でなければ効果はありませんので、必ず歯科医院で診断してもらいましょう。

まとめ

歯がしみる時、その原因はいろいろ考えられます。いわゆる象牙質知覚過敏症だけが原因とは限りません。
虫歯や歯周病のサインかもしれません。安易に考えることなく、早めに歯科医院を受診して、適切な治療を受けるようにしましょう。

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【監修・執筆】小杉 賢史

【監修・執筆】小杉 賢史
所属:越谷(アインス歯科)
略歴:2001年 東京歯科大学卒業
東京歯科大学歯科補綴学第一講座(老年歯科補綴学講座)
2012年 アインス歯科 開業
2015年 ハイライフ加盟

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