2020.02.14

磁石で固定する入れ歯とインプラントの利点・欠点・費用

磁石で固定する入れ歯とインプラントの利点・欠点・費用
歯を失った際、インプラントやブリッジは固定式ですが、入れ歯は取り外すことができるため、入れ歯の仕上がりによっては、生活のなかでガタつきなどを感じるケースがあります。
今回は、そんなガタつきや緩みなどの解消を目的とした、磁石を使用した入れ歯とインプラントについて、メリット・デメリット・費用などをご説明します。

1.入れ歯の種類と特徴(部分入れ歯/総入れ歯)

入れ歯は歯が残っているかどうかで、部分入れ歯か総入れ歯にわけることができます。

1-1.部分入れ歯

部分入れ歯
歯が残っている場合の入れ歯です。一般的な保険診療の入れ歯の場合、残された歯に金具をかけて外れない様にします。
この金具は歯のくびれに引っかかる様な形をしており、くびれに食い込む感じで安定を図る様になっています。

1-2.総入れ歯

総入れ歯
歯が全くなくなった場合の入れ歯です。歯に金具を欠けることが出来ないので、入れ歯は、歯茎に対して吸盤の様な作用を発現し、吸い付くようにして安定を図る様な構造になっています。吸着する面積が広ければ広いほどより安定します。そのため、総入れ歯は比較的大きめになります。
ところで、下顎に多いのですが、歯を失うことで、顎の骨がとてもやせ細ってしまうことがあります。骨がやせてしまいますと、吸着力が低下してしまいますので、入れ歯はしっかりと安定させることが出来なくなります。歯茎がやせても総入れ歯の形は変わりませんので、入れ歯の内側と歯茎の間に隙間が生じる様になり、吸着力がさがり、入れ歯が緩くなっていきます。

2.磁石(マグネット)で固定する入れ歯とは

マグネット入れ歯
保険診療の部分入れ歯は、金具を歯にひっかけることで安定を図る構造になっています。
この金具のかわりに、磁石を組み込んで入れ歯の安定を図るような構造の入れ歯があります。これをマグネット義歯もしくはマグネットデンチャーといいます。

2-1.構造

歯の根のことを歯根といいますが、この歯根に磁石にくっつく性質のある金属(磁性金属といいます)の板を付けます。そして、入れ歯側に磁石を組み込みます。歯根につけた金属と入れ歯の磁石がくっつくことにより、安定を図る構造になっています。

2-2.メリット

・金具が無くなりますので、入れ歯の見た目がきれいです。
・磁石の作用で入れ歯がしっかり固定されてかめます。
・磁石の場合、入れ歯の金具のバネと違って使っているうちに緩くなったりすることはありません。
・歯冠が無くなった歯でも、抜歯せずに磁石の土台として利用出来ます。
・取り外しが入れ歯の金具のバネよりも簡単なので、身体に不自由がある方でも使いやすいです。

2-3.デメリット

・磁性金属を組み込むために、歯が必要です。歯が全くない状態では行なえません。
・磁性金属を歯に組み込むために、歯の神経をとらなければならなくなります。
・磁性金属を組み込む歯は、ほとんど根だけの状態になります。
・磁性金属が歯の根に食い込むことにより、歯根が割れてしまうことがあります。
・入れ歯が破損した時、修理がしにくいことがあります。
・保険診療の適応外となりますので、保険診療の入れ歯と比べて費用が高額になります。
・MRIという磁力を使った画像検査を受ける場合に注意が必要です。必ず検査室の担当者に伝える様にしてください。
・心臓にペースメーカーが装着している場合、使えません。

2-4.費用

マグネット義歯は、保険診療で使用することが認められておらず保険診療外となります。
マグネットを入れ歯側と歯茎の1セットで5万ほどです。もし、2個組み込めば、その倍の費用となります。このマグネットの費用と、部分入れ歯の費用の合算が、マグネット義歯の費用となります。主治医の歯科医師とよく相談して治療をすすめましょう。

3.インプラントに磁石(マグネット)を組み込んで固定する入れ歯とは

インプラント義歯
歯が全くなくなってしまった場合、総入れ歯になります。総入れ歯は、歯茎に吸い付く作用で安定を図っています。一般的なマグネット義歯の場合は、歯が少なくとも1本以上残っていなければ適応出来ません。通常、総入れ歯は歯がないので磁石で安定を図ることは適いません。そこで、インプラントを入れ、そのインプラントに磁石を組み込むことで、磁石で安定を図ることが出来る様にした総入れ歯があります。
マグネットインプラント義歯、マグネットインプラントなどとよばれています。

3-1.構造

インプラントを顎の骨に埋めます。そのインプラントに磁性金属を組み込みます。入れ歯側に磁石を装着し、インプラントと入れ歯が磁石の作用でくっつく様にします。なお、インプラントはチタニウム合金製なので、それ自体は磁石とはくっつきません。

3-2.メリット

・歯がなくても磁石で安定を図ることが出来る様になります。
・総入れ歯でも適応出来ます。
・歯茎がやせてきても磁石の作用で外れにくくなります。
・身体に不自由がある方でも入れ歯の取り外しが容易になります。
・一般的なインプラント義歯よりも費用を抑えることが出来ます。

3-3.デメリット

・インプラントを入れるという外科処置が必要となります。
・基礎疾患がある場合、インプラントが入れられないことがあります。
・広範囲に歯茎がやせてきて、磁石の作用だけでは厳しくなるほどになった場合、通常の入れ歯であれば、入れ歯の内面を盛り足して歯茎に合わせる方法があるのですが、磁石を組み込んだ総入れ歯の場合は、難しくなります。
・破損した時に、修理がしにくいことがあります。
・MRIという磁力を使った画像検査を受ける場合に注意が必要です。必ず検査室の担当者に伝える様にしてください。
・心臓にペースメーカーが装着されている場合は、使うことが出来ません。

3-4.費用

顎の骨の状態によって、インプラントの本数が、2〜4本と変わってきます。インプラントは、1本当たり磁石代込みで、35万から40万円ほどになります。2本ならその2倍になります。そして、入れ歯の費用が25万から35万円ほどになります。その合計が、マグネットインプラント義歯の費用となります。

3-5.マグネット義歯との組合せ

歯が少し残っていても、インプラントを組み込んだマグネット義歯にすることがあります。
部分入れ歯は、歯を失った部分の両側に歯が残っている方が、安定感を高くできます。一方、そうでない場合の部分入れ歯を遊離端(ゆうりたん)義歯といいます。遊離端義歯は、奥側が沈み込みやすく、入れ歯が痛くなりやすい特性があります。
そこで、奥側にインプラントを入れて、そのインプラントも使ったマグネット義歯にして、安定感を得る方法もあります。

まとめ

入れ歯のガタつきや緩みなどでお悩みの方にとって、磁石を使用したの入れ歯は、お悩みを解消する1つの選択肢となります。
但し、磁石を組み込む入れ歯は、保険診療の適応外となります。費用については、主治医の歯科医師とよく相談の上、治療を受ける様にしてください。

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【監修・執筆】ハイライフ編集部監修

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