2020.08.28

入れ歯の値段相場は?保険・保険外の入れ歯の種類

入れ歯の値段相場は?保険・保険外の入れ歯の種類

歯を失った場合に、その部分を補う方法には、入れ歯(部分入れ歯や総入れ歯)、ブリッジ、インプラントなどがあります。
ブリッジの場合は、補うことのできる本数に限りがありますし、インプラントは外科処置を伴いますから、健康面に問題があったりすると使えないこともあります。
ですから、入れ歯が最も適応が広く選択しやすいものであると言えます。一方で入れ歯は使用される方にとって、お悩みの多いものでもあります。
そうした際に、保険外の入れ歯という選択肢もあります。今回は、保険・保険外での入れ歯治療と値段について解説していきます。

1.保険の入れ歯

保険診療でも入れ歯はあります。入れ歯は、失った歯の数により総入れ歯と部分入れ歯に分けることができます。
また、総入れ歯も部分入れ歯もなのですが、保険での製作は、新しく作ってから6か月以内は新しい入れ歯を作ってはならないという、制度上の制限があります。

1-1.総入れ歯

歯を全て失った場合は、総入れ歯となります。
保険診療の総入れ歯の場合、レジンというピンク色のプラスチックでできた”床”とよばれる部分と、人工歯とよばれる”歯”の部分から成り立っています。

1-1-1.総入れ歯の特徴

総入れ歯
総入れ歯の利点は、歯が全くなくなっても食べ物を噛めるようにできるという点です。
しかし、換言すれば、支えとなりうる歯が全くないわけですから、総入れ歯は歯茎に乗っているだけです。
そのため、上顎は比較的まだいいのですが、特に下顎の場合、安定感はあまり良くありません。
特に、歯茎の骨が退縮している方の場合、安定を得ることが非常に難しく、歯科医師の高い技術が必要となります。
入れ歯がお口にあっていないと、入れ歯の内側に食べ物が入り込むこともありますので、毎食後外してきれいに洗わなければなりません。
そして、お口の中できちんと機能(食事や発音など)させるために期間が必要となります。

1-1-2.出来上がるまでの過程

通常の総入れ歯は、およそ4回ほどの工程を経て出来上がります。
それぞれの工程に1週間程度の日数を要しますので、完成までには概ね1ヶ月ほどかかることになります。
①印象採得:歯型をとることです。
②咬合採得:総入れ歯の大きさや、上下前後の位置関係、合わせ具合を確認します。
③試適:①と②で得られた情報から仮の入れ歯を作って、患者さんのお口に合わせてみます。
大きさや噛み合わせ、口元の顔の感じなど総合的に確認します。このとき、必要に応じて修正を行ないます。
④完成:試適の際に合わせた物をもとにして、総入れ歯を完成させます。

1-1-3.費用

保険の自己負担割合によって変わってきますが、基本割合である3割を基準にしますと、レジンで作られた総入れ歯の場合、おおむね1つ8000円から9000円前後になってきます。
人工歯に何を使うかなど、細かいところで違いが出てきます。なお、この費用には、初再診料や印象採得から指摘までの工程の費用は含まれておりません。

1-2.部分入れ歯

部分入れ歯
失った歯が一部分だけの場合は、部分入れ歯になります。
部分入れ歯も、総入れ歯と同じく、レジンとよばれるピンク色のプラスチックで”床”を作り、その上に人工歯という”歯”を設置する構造ですが、安定を図るために残された歯にかける金具が付いているところが異なります。

1-2-1.部分入れ歯の特徴

部分入れ歯は、残された歯に金具をかけて安定を図るところに特徴があります。ですから総入れ歯と異なり、支えに利用できる歯が残っています分、安定感はいいです。
しかし、使っていくうちに、お口の変化によってゆるくなったりもしますので、歯科医院にで定期検診を受けることも大切です。
また、特にはじめのうちは、異物感を伴いますので、慣れていく必要もあります。

1-2-2.出来上がるまでの過程

部分入れ歯も総入れ歯と同じく、およそ4回ほどの工程を経て出来上がります。
それぞれの工程に1週間程度の日数を要しますので、完成までには概ね1ヶ月ほどかかることになります。
①印象採得:歯型をとることです。
②咬合採得:部分入れ歯の大きさや、上下前後の位置関係、部分入れ歯の金具の合い具合を確認します。
③試適:①と②で得られた情報から仮の入れ歯を作って、患者さんのお口に合わせてみます。大きさや噛み合わせ、口元の顔の感じなど総合的に確認します。このとき、必要に応じて修正を行ないます。
④完成:試適の際に合わせた物をもとにして、部分入れ歯を完成させます。

1-2-3.費用

保険の自己負担割合によって変わってきますが、基本割合である3割を基準にしますと、レジンで作られた部分入れ歯の場合、おおむね1つ4000円から12000円前後になってきます。
総入れ歯と異なり、値段の幅が非常に大きいのは、部分入れ歯の大きさが千差万別だからです。

保険の部分入れ歯の場合は、大きさを”1〜4歯””5〜8歯””9〜11歯””12〜14歯”の4種類に区別し、それぞれに異なる費用を設定しています。
そして、総入れ歯にはない、歯にかける金具の費用も必要となってきます。
金具の本数は、部分入れ歯の形、大きさ、失った歯の数、残された歯の状態などによって違ってきますが、少なくとも2つは必要となってきます。
それとは別に、補強用の金属パーツもつけなければならないことがあります。

このように、総入れ歯と構造が異なるが故に、必要とされる構成品の種類や数も多く、費用に幅が生じてくるのです。なお、この費用には初再診料や印象採得から指摘までの工程の費用は含まれておりません。

2.保険外の入れ歯の種類と費用

入れ歯の中には、保険が使えない材料を使用して治療するものがあります。
費用は、保険の入れ歯と比べて、高額にはなりますが、一方、保険の入れ歯にはない利点があります。少しでも快適性を改善させるために、様々な製品が開発されています。
そこで、保険外の入れ歯について代表的な物をまとめてみました。
費用について記載してありますが、保険外診療の費用に関しては、各歯科医院がそれぞれ独自に設定しているものですので、詳細については受診なさった歯科医院でご相談をお願いします。
また、保険の部分入れ歯の場合、入れ歯の大きさを4種類に分けて費用を設定してありますが、保険外の部分入れ歯の場合は、各歯科医院が費用を設定していますので、一概にはいいにくいのですが、1〜7歯と8〜14歯の2種類に分けて費用を設定しているところが多いようです。

2-1.金属床の入れ歯(総入れ歯・部分入れ歯適用)

プラスチックと金属の入れ歯比較イメージ
このタイプの入れ歯の特徴は、その構造にあります。保険の入れ歯と異なり、”床”の構造が、金合金やチタニウム合金などの金属と、レジンを組み合わせた”金属床”と呼ばれるものになっています。
これにより、床の厚みが数分の1にまで薄くできます。表面の舌触りもよく、違和感が少なくなっています。
また、レジン単体では食べ物の温度が歯茎に伝わりにくく、入れ歯の部分とそれ以外の舌や頬などの部分とで、感じとれる温度に差が生じていたのですが、金属部分を設けることで、温度を伝えやすくなり改善されています。そして、金属面の方が歯茎によりフィットしやすいため、緩くなりにくいという利点もあります。

2-1-1.金属床入れ歯の種類と費用

金属床にどういった種類の金属を用いるかによって、費用は大きく変わってきます。
①金合金:金合金は、適合性が優れており、金の持っている光沢は変化することがなく、長期間に及びきれいな色を保つことが出来ます。
また、金属アレルギーもほとんど起こらないという安全性の点も良好なのですが、金属床の義歯の中で最も高価です。一般的に70〜80万円くらいします。
②チタニウム合金:チタニウムは、身体に非常に優しく安全性に優れた素材です。歯茎との適合性も良く、安定感も良好です。チタニウム合金の総入れ歯は、50〜60万円くらいとなっています。
③コバルトクロム合金:床の厚みを薄くできて、熱を伝えやすく違和感が少ないことが特徴です。コバルトクロム合金の入れ歯は、金属床のうちではもっとも安価な部類にはいりますが、それでも40万円前後となります。

2-2.シリコン床入れ歯(コンフォートシリーズ※総入れ歯・部分入れ歯適用)

コンフォートシリーズ
入れ歯の内面に、薄く人肌に近い柔らかいシリコン素材を用いることで、歯茎に吸着して安定感がでます。
また、シリコンは柔らかい素材なので、噛む時の癖による入れ歯の歯茎への当たりをシリコンが吸収してくれることで、痛みなどを緩和します。
コンフォートシリーズは、歯が1本〜全て抜けた方まで、金属のバネがなくやわらかいクッションが加工された入れ歯として、4商品に分かれて展開されています。

2-3.マグネット入れ歯(部分入れ歯のみ)

マグネット入れ歯
これは歯が残っている場合にのみ用いられる入れ歯です。
どういうことかと申しますと、歯が少しだけ残っているけれど、残っている状態を診ると差し歯にするほど丈夫ではない時に、歯の根の部分だけを残して、その上を入れ歯で覆ってしまうという場合です。
この歯の根に金属製の芯を入れて、その上を覆っている総入れ歯に磁石を埋め込みます。すると磁石と歯の根の金属とが接合します。
こうすることで、入れ歯の安定性を高める構造です。費用はマグネットのみで10万円前後(※入れ歯費用は別途)となります。

2-4.ノンクラスプデンチャー(部分入れ歯のみ)

バネが目立たない
保険の部分入れ歯は、残された歯に金属のバネをかけて入れ歯の安定を図る構造になっています。
しかしながら、金属のバネは見えてしまうと見た目がよくありません。奥歯の場合は別として、どうしても歯に銀色の鈍く光る針金が見えてしまいます。
そこで、金属製の金具ではなく、ピンク色のレジンで金具を代用しようというコンセプトで作られた部分入れ歯です。
金具が無くなったため、見た目が非常に改善されています。費用は、15〜30万円前後となります。

2-5.コーヌスデンチャー(テレスコープシステム)※部分入れ歯のみ

コーヌスクローネ
このタイプの部分入れ歯は、金属かプラスチックかを問わず、歯に金具をかけるということをなくしたところに特徴があります。
コーヌスタイプの部分入れ歯は、残された歯を金歯・銀歯にした心棒を立てて、その上に部分入れ歯を被せることで安定を図ります。
歯の心棒と部分入れ歯をしっかりと合わせるのが難しいのですが、完成しますと見た目が美しいのが特徴です。
※入れ歯を外した時に、自身の歯が金・銀歯になるため、外した際の見た目はよくありません。
また、入れ歯完成後の修理や調整などが非常に難しく、入れ歯の製作代はもちろん、後々かかる調整代が非常に高額となること、製作・調整できる歯科医院が限られてしまうことが欠点です。費用は100万円〜になります。

まとめ

歯を失った時に、その部分を補う方法はいくつかあります。保険で出来る入れ歯もあれば、保険が使えないタイプの入れ歯もあります。
保険でも入れ歯を作ることは可能ですが、より快適な入れ歯、より安定した入れ歯を望むと、値段は上がりますが、保険外診療の入れ歯となってきます。
また、保険外の入れ歯を作ると、どんな場合も快適になると思われがちですが、入れ歯は歯科医師・技工士の技術が非常に大切になり、使用感が左右されるものです。
どういった方法が自身に合うのか、主治医の歯科医師に説明を受けた上で、十分納得して選択されることが大切です。

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【監修・執筆】ハイライフ編集部監修

【監修・執筆】ハイライフ編集部監修
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