2022.08.05

ブリッジ治療(前歯・奥歯)の保険・保険外診療の費用相場

ブリッジ治療(前歯・奥歯)の保険・保険外診療の費用相場

歯が抜けてしまった時、失った歯の数が少なければ、ブリッジ治療を選択されることがあると思います。
しかし、なんとなくブリッジを行うには、歯を削る必要があることくらいは理解しているものの、いざ歯科医院で保険と保険外診療を検討する場合に、材質の違いや特徴、費用負担面での比較などを細かく理解した上で治療を決めたいものです。
保険と保険外でのブリッジ治療を、見た目・耐久性・費用面から比較して説明します。

1.ブリッジによる治療とは

ブリッジ治療とは、何らかの原因によって失われてしまった歯を補う治療です。歯科では失われた歯や、歯の一部を補う処置のことを補綴処置(ほてつしょち)と言いますが、ブリッジも補綴処置の方法のひとつです。
失った歯の両隣の歯を土台にして、ブリッジ=橋、の文字通り、お口の中に橋を渡して失った歯の部分を修復します。橋の部分はポンティックと言われる人工の歯でできていて、ブリッジ処置をすることで噛み合わせを再現することができます。

ブリッジの説明

ブリッジは、欠損した歯が支えていた噛み合わせを、支台歯(しだいし)と呼ばれる隣り合った歯で負担するため、支えとなる支台歯は動揺がなく安定した状態であることが望まれます。また、土台となる支台歯はブリッジを被せるために、たとえ虫歯がなく治療の必要がない状態であったとしても、健康な歯質を削らなくてはなりません。これはブリッジによる欠損補綴の大きな欠点のひとつです。
しかし、ブリッジはお口の中での違和感が少ない、元の噛み合わせが再現しやすいといったメリットがあります。
また、ブリッジはそのほとんどが、お口の中に歯科用の接着剤で固定して使用するため、(ひと昔前までは可綴式ブリッジと言う着脱可能なブリッジによる治療法があったのですが今ではほとんど行なわれていません。)取り外しや管理の煩わしさがないという長所があります。もちろんブリッジを長持ちさせるには、こまめなメインテナンスと日々のセルフケアが重要になりますが、失った歯の数が少ない場合には、患者さんにとって非常に効果のある補綴処置と言えるでしょう。

ブリッジによる補綴処置を行なうときには、土台となる支台歯に過重負担がかからないようにしなくてはなりません。
支台歯が支えきれないほどの咬合力(こうごうりょく=噛み合わせによってかかる力)がかかってしまうと、ブリッジが破損したり、支台歯が折れたり根が割れたりしてしまうため
です。このため、ブリッジ治療を行なう際には、欠損した歯の種類によって支台歯を何本にするか、ブリッジをどこの歯にどのようにかけることができるかといった設計のルールが決められており、保険診療でブリッジ治療を行なう際は、設計のルールに当てはまることが必須条件となります。

2.保険診療のブリッジ治療(見た目・耐久性・費用)

2-1.保険診療でのブリッジの設計ルール

保険診療でブリッジ治療が行なえる条件は下記の通りです。

・欠損歯が1本または連続した2本の歯であること
・前歯部(ぜんしぶ。真ん中から1番目とその隣の歯のことです)では連続して4本まで
・支台歯となる歯に最低でも2年間は問題が出ないであろうと診断されること
※欠損歯が多い場合は保険診療でブリッジ治療を行なうことができません。(欠損歯が多い場合には入れ歯やインプラントでの補綴処置となります。)

また、負担のかかる支台歯は健康な状態であることが前提となります。保険診療で補綴処置を行なう際には、2年間は補綴治療を行なった歯科医院で、その補綴物を維持するための管理を行なうというルールがあります。
このため、ブリッジがしっかりと機能するように、支台歯となる歯は最低でも2年の間、再治療が必要な状態にならないよう、問題なく経過すると診断されなくてはなりません。

2-2.保険診療でのブリッジの費用

保険診療でブリッジによる補綴処置を行なう際のメリットは、費用が比較的安価であるということです。
支台歯の治療やメインテナンスを併せて実施する必要がある場合でも、保険診療で行なう際には、負担額は1割〜3割となるので手頃な値段で治療を受けることができます。
ブリッジの作製にかかる費用は、支台歯の治療の必要度や欠損した歯の部位によって異なりますが、1歯欠損の場合ブリッジそのものの値段は3割負担の場合で1万円前後からとなります。
この他に、ブリッジを作製するための診断料やレントゲン代、作製にあたっての前処置の費用、支台歯となる歯の処置代、装着したブリッジを維持するための管理料が加わります。

2-3.保険診療でのブリッジの見た目と耐久性の問題点

ブリッジの写真

ブリッジの保険診療では、設計と使用することのできる材料に決まりがあります。
このため場合によっては、口の中の目立つ部分の歯に銀色の被せ物をしなくてはならないことがあります。
具体的には前歯部である真ん中の4本の歯と犬歯(けんし=糸切り歯のこと)は保険診療でも被せ物の表面を白くすることができるのですが、犬歯の隣の第一小臼歯(だいいちしょうきゅうし)は前歯部には含まれないので金属の被せものしか被せることができません。(例外として第一小臼歯がポンティックとなる場合は表面を白くすることができます。)

人に会って話をしたり、一緒に食事をするときに必ずしも相手が真っ正面にいるとは限りません。自分の顔を鏡で見るとき、鏡の正面に立つことが多いので第一小臼歯が銀色であってもさほど気にならないという方もいらっしゃいますが、口角をしっかりあげてスマイルをした顔を少し斜めから見てみると、銀色になった第一小臼歯は非常に目立ちます。
審美性にかけるというのが保険診療におけるブリッジの欠点のひとつです。
また、ブリッジに限ったことではありませんが、保険診療で使用することのできる材料は限りがあります。このため金属アレルギーがある人では使用できないことがあります。加えて、保険外診療で使用可能である材料と比較して歯への親和性が低いため、被せたところに微細な隙間が生じる可能性があり、再び虫歯になりやすいことや、保険診療で使用する白い材料では、着色や変色のリスクが高いことなどの欠点もあります。
以上のことから、保険診療でのブリッジ治療は費用面では優れているものの、見た目や耐久性の観点からは保険外診療のブリッジと比較して劣るということが言えます。

3.保険外(自費)診療のブリッジ治療(見た目・耐久性・費用)

3-1.保険外診療でのブリッジのルール

日本の歯科保険制度では、保険診療と自費診療の混合診療(保険と自費が合わさった診療)が認められていません。
例えば、支台歯の治療を保険診療で行なったところに、自費のブリッジを装着することができないのです。
自費のブリッジを作製しようと考えたときには、そのブリッジの支台歯となる歯の前処置の段階から、すべて自費診療で行なう必要があります。自費診療については自由価格となっていますので、歯科医院によってかかる費用は大きく異なります。
また使用する材料によっても費用は異なりますが、1歯欠損のブリッジを、ハイブリッドセラミックという白い材料を使用して作製した場合、ブリッジの部分だけで相場としては15万円程度の費用がかかります。

3-2.保険外診療でのブリッジの費用

先ほどもご説明した通り、日本の歯科保険制度では保険診療と自費診療の混合診療が認められていません。
自費のブリッジを作製した場合、その治療に関わるすべての前処置、治療中の仮歯、セット後のメインテナンスなどのあらゆるコストが自費になります。自費診療のコストは歯科医院によって異なりますが大まかな相場があります。先項で示したように、材料や欠損した歯によっても費用は変わってきます。

<保険外診療でのブリッジの材質の種類と費用>

いずれも欠損歯が1本で3本連結のブリッジの場合の“1本の金額”になります。

・ハイブリッドセラミック(プラスチック) 約5万円
ハイブリッド

・メタルボンド(セラミックと金属) 約10万円
メタルボンド

・オールセラミック 約12万円
オールセラミック

・ゴールド 約10万円

3-3.保険外診療でのブリッジの見た目と耐久性

自費診療では見た目(審美性)と耐久性に優れた、カラダに優しい素材を選択できることが一番のメリットです。
目立つ部分の歯を白くすることはもちろん、大口をあけて笑ったときにしか人に見られることのない奥歯まで白い素材を使って修復することができます。
現在、自費診療において使用されている材料には、白い材料と金属の材料とに分けられます。白い材料はハイブリッドセラミックと呼ばれる非常に硬質なセラミック(陶材)のようなプラスチックと、金属の土台の表面にセラミックを焼き付けたメタルボンド、セラミックのみで作られたオールセラミックがあります。

セラミックは、咬合力(噛む力)のかかる垂直方向からの力に対してひびが入りやすいという欠点が以前はあったのですが、最近の材料では改良されていて、歯ぎしりのよほど酷い人以外にとっては最善の材料であると言えるでしょう。
透明感があり色彩が豊かなため、審美性に優れています。また表面が滑沢であり、着色や変色のリスクが少ないこと、硬く強度があることから耐久性にも優れていると言えます。

ハイブリッドセラミックは、セラミックの長所である硬さと表面の滑沢さを持ったプラスチックです。
耐久性に優れ、着色や変色しにくいと言ったメリットがあります。セラミックよりはそれぞれの長所で劣りますが、セラミックよりははるかに安価で、相場ではメタルボンドの約半分程度、オールセラミックの3分の1くらいの費用で使用することができることがハイブリッドセラミックの1番のメリットです。

一方、自費診療の際に使用される主な金属の材料はゴールドです。
ゴールドは、延展性に優れることが1番のメリットです。延展性があると、歯と被せ物の間にできる微小な隙間を埋めてくれます。ゴールドの持つ延展性によって辺縁を隙間なく埋めることができるため、再び虫歯になるリスクを小さくすることができます。
金属なので、色彩の面では劣りますが、ほとんど外見からは目立たない奥歯の被せ物に使用することで耐久性に優れたブリッジを作製することが可能になります。

まとめ

保険と保険外診療でのブリッジの特徴と費用についてご説明しました。
見た目の良い歯を、できるだけ長く使用できることが1番良いですが、歯の状況や予算を含めて、歯科医院でよく相談されて、納得のいく治療法を選択しましょう。

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【監修・執筆】ハイライフ編集部監修

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所属:ハイライフグループ
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