2025.03.14

耐久性のある入れ歯とは?長く快適に使うためのポイント

耐久性のある入れ歯とは?長く快適に使うためのポイント

入れ歯を長く快適に使うためには、耐久性の高いものを選ぶことが重要です。
しかし、「壊れにくい入れ歯=長持ちする入れ歯」とは限りません。素材の違いや噛み合わせの調整、メインテナンスの有無など、さまざまな要素が入れ歯の寿命に影響を与えます。
本記事では、耐久性のある入れ歯を選ぶためのポイントを詳しく解説します。
適切な素材選びや歯科医院の選び方を知り、入れ歯を長く快適に使うための参考にしてください。

1.はじめに

1. はじめに
入れ歯を使っていると、「すぐに割れてしまった」「合わなくなってしまった」「長持ちする入れ歯が欲しい」といったお悩みを抱える方が多いです。
特に、入れ歯を作って数年経つと、最初は快適だったのに違和感が出てきたり、壊れてしまったりすることがあります。
しかし、耐久性のある入れ歯選びをすることで、こうした悩みを軽減し、快適に長く使い続けることができます。ここで大切なのは、「耐久性=壊れにくさ」だけではなく、「快適に長く使えること」も含めて考えることです。
この記事では、入れ歯の耐久性に影響を与えるポイントや、長持ちする入れ歯を選ぶ際に知っておくべきことを詳しく解説します。

入れ歯はなぜ壊れたり合わなくなったりするのか?

入れ歯は、お口の中という特殊な環境で使用するため、さまざまな要因で劣化したり、合わなくなったりします。以下のような原因が考えられます。

1.落下や衝撃による破損

入れ歯は、基本的に丈夫に作られていますが、落としたり強い衝撃を受けたりすると割れることがあります。特に、プラスチック(レジン床)の入れ歯は割れやすい傾向があります。
一方で、金属床(コバルト床・チタン床)やノンクラスプデンチャーは、割れにくい特徴があります。

2.口腔内の変化

人の体は常に変化していますが、特に口の中は影響を受けやすい部分です。歯茎がやせたり、噛み合わせが変わることで、入れ歯が合わなくなってしまうことがあります。この変化には個人差があり、すぐに合わなくなる人もいれば、長年問題なく使える人もいます。
金属床の入れ歯やノンクラスプデンチャーは、修理が難しく、歯茎や噛み合わせが変化すると作り直しが必要になる場合があります。

3.日々の使用による摩耗や劣化

入れ歯は毎日使うものなので、長く使っていると摩耗したり、すり減ったりします。特に、ノンクラスプデンチャーは長期間使用すると、入れ歯自体がゆるくなり、フィット感が悪くなることがあります。
こうなると、しっかり噛めなくなり、食事の際に不便を感じることもあります。

「耐久性のある入れ歯」とは何か?

では、どうすれば入れ歯を長持ちさせることができるのでしょうか?耐久性のある入れ歯とは、次のような特徴を持つ入れ歯のことを指します。

1.材質が丈夫で壊れにくい

・金属床(コバルト床・チタン床)は、プラスチックに比べて衝撃に強く、割れにくい。
・ノンクラスプデンチャーは、落としても割れにくいが、修理ができないことが多い。

2. 修理・調整がしやすい

・金属床(コバルト床・チタン床)は、プラスチックに比べて衝撃に強く、割れにくい。
・レジン床の入れ歯は割れやすいが、修理や調整がしやすく、歯茎や噛み合わせの変化にも対応しやすい。
・金属床の入れ歯やノンクラスプデンチャーは、丈夫だが修理が難しく、場合によっては作り直しになることもある。

3. 自分の口に合ったものを選ぶ

・入れ歯が長持ちするかどうかは、素材だけでなく、「お口に合っているかどうか」も大きく影響します。
・最初のフィット感が良いほど、長く快適に使えるため、精密な型取りや調整を行う歯科医院を選ぶことが重要です。

「耐久性がある=一生使える」ではない!

耐久性のある入れ歯を選んでも、一生使い続けられるわけではありません。
なぜなら、さらに歯が抜けるなど、お口の状態が変化することがあるためです。そのため、定期的に歯科医院でチェックし、必要に応じて調整や修理を行うことが大切です。また、「壊れにくい入れ歯」を選んだとしても、適切にお手入れをしないと劣化が早まります。お手入れ次第で、耐久性をさらに高めることもできるため、日々のケアを意識することも大切です。

2.入れ歯の耐久性に影響を与える3つの要因

2.入れ歯の耐久性に影響を与える3つの要因
入れ歯をできるだけ長持ちさせたいと考える方は多いでしょう。しかし、入れ歯は使い方や環境によって耐久性が大きく変わります。特に、以下の3つは、入れ歯の寿命に大きく影響します。それぞれの要因について詳しく解説していきます。

1.素材の違い:壊れにくさ vs. 修理のしやすさ

入れ歯の素材にはいくつか種類があり、それぞれ特徴が異なります。「耐久性が高い」=「長く使える」とは限らないので注意が必要です。

プラスチック(レジン床)

保険適用の入れ歯に多く使われる一般的な素材です。衝撃に弱く割れやすいですが、修理や調整がしやすいのが特徴です。

メリット
・修理しやすく、調整が比較的簡単
・費用が安く、保険適用で作ることが可能
デメリット
・落とすと割れやすく、耐久性に劣る
・長期間使用すると変色や摩耗が進みやすい

レジン床は破損しやすいですが、修理できる点が強みです。こまめな調整で長く使うことも可能です。

金属床(コバルト床・チタン床)

耐久性の高さが魅力の入れ歯で、金属フレームを使用しています。プラスチックよりも薄く、口の中で違和感を感じにくいのが特徴です。

メリット
・割れにくく、耐久性が高い
・熱を伝えやすく、食事の温度を感じやすい
デメリット
・修理が難しく、作り直しになることも多い
・保険適用外が多く、費用が高め

金属床の入れ歯は耐久性が高く、衝撃に強いのが特徴です。しかし、歯茎の変化には対応しにくく、修理が難しい場合もあります。

ノンクラスプデンチャー

金属のバネを使わない部分入れ歯で、見た目が自然です。柔軟性があり、落としても割れにくいという特徴があります。

メリット
・落としても割れにくい耐久性
・金属を使用しないため、目立ちにくく審美性が高い
デメリット
・修理が難しく、作り直しになることが多い
・長期間使うとゆるくなり、フィット感が悪くなる

ノンクラスプデンチャーは審美性に優れていますが、修理しにくい点が弱点です。長期間使用すると、徐々にゆるんでしまうこともあります。

2. お手入れの仕方

入れ歯は適切にお手入れしないと、劣化が早まります。間違ったお手入れ方法が、寿命を縮める原因になることもあります。

入れ歯を長持ちさせる正しいケア

専用のブラシを使う
普通の歯ブラシではなく、入れ歯専用のブラシを使いましょう。強くこすると傷がつき、汚れが溜まりやすくなります。

入れ歯洗浄剤を活用する
水洗いだけでなく、定期的に洗浄剤を使いましょう。細菌の繁殖を防ぎ、異臭や変色の予防になります。

熱湯消毒は絶対にNG
入れ歯は熱に弱いため、熱湯につけると変形することがあります。ぬるま湯か水で洗うようにしましょう。

寝るときは外す
入れ歯をつけたまま寝ると、歯茎に負担がかかります。夜は外して休ませることで、入れ歯の変形を防ぐことができます。お手入れを正しく行うことで、入れ歯をより長く快適に使うことができます。

3. 口腔内の変化

入れ歯は最初にピッタリ合っていても、時間が経つと違和感を感じることがあります。これは、口腔内の状態が変化するためです。

よくある口腔内の変化

歯ぐきの形が変わる
歯を失った部分の歯茎は、時間とともに変化することがあります。歯ぐきがやせると、入れ歯がゆるくなり、噛みにくくなることもあります。

噛み合わせの変化
長く使っていると、入れ歯が摩耗し、噛み合わせがズレることがあります。噛み合わせが悪くなると、しっかり噛めなくなり、顎の負担が増えることもあります。

残っている歯の状態が変わる(抜ける)
部分入れ歯の場合、支えとなる歯がさらに抜けてしまうなどの変化が起こることがあります。
口腔内の変化に合わせて、定期的に入れ歯を修理・調整することが大切です。合わない入れ歯を使い続けると、噛む力が弱くなり、食事の楽しさも減ってしまいます。入れ歯の耐久性を高めるためには、適切な素材を選び、正しいお手入れを行うことが重要です。また、定期的なメインテナンスを受けることで、長く快適に使用することができます。

3.耐久性のある入れ歯を選ぶポイント

入れ歯を長く快適に使うためには、単に「壊れにくい」だけでは不十分です。修理のしやすさやフィット感など、いくつかの重要なポイントがあります。「壊れにくい」「快適に使える」「長持ちする(修理可能)」の3つの観点から、耐久性のある入れ歯を選ぶポイントを解説していきます。

「壊れにくさ」だけでなく「修理のしやすさ」も考える

入れ歯は、毎日使用するものなので、ある程度の劣化は避けられません。そのため、最初に「壊れにくい素材」を選ぶだけでなく、「修理がしやすいかどうか」も考慮することが大切です。

プラスチック(レジン床)の入れ歯

プラスチック製のレジン床は、落とすと割れやすい特徴があります。しかし、修理が簡単で、部分的な補修や調整がしやすいのがメリットです。特に、歯茎が痩せて入れ歯が合わなくなった場合でも、調整が可能です。

金属床(コバルト床・チタン床)の入れ歯

金属床の入れ歯は、レジン床に比べて割れにくく、耐久性が高いです。しかし、一度壊れると修理が難しく、作り直しが必要になることがあります。また、歯茎の変化に対応しづらいため、長期間の使用には注意が必要です。

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーは、落としても割れにくいのが大きな特徴です。
ただし、修理が難しく、入れ歯自体がゆるくなることもあります。「壊れにくさ」だけを重視すると、後々困ることもあります。

長持ちさせるためには定期的なメインテナンスが必要

どんなに耐久性の高い入れ歯を選んでも、放置していると劣化してしまいます。入れ歯を長持ちさせるためには、定期的なメインテナンスが欠かせません。

定期的にチェックしてもらう

歯科医院での定期的なチェックを受けることで、入れ歯の不具合を早期に発見できます。違和感を感じる前に調整してもらうことで、長く快適に使うことができます。

噛み合わせを定期的に確認する

入れ歯は、噛み合わせが悪くなると食事がしにくくなるだけでなく、顎に負担がかかります。定期的に噛み合わせを確認し、必要に応じて調整することが大切です。

入れ歯の劣化に注意する

入れ歯は毎日使うものなので、少しずつ劣化していきます。
汚れが落ちにくくなったり、摩耗が進んだ場合は、新しい入れ歯を検討する時期かもしれません。入れ歯は「壊れたら交換するもの」ではなく、「長く使うために調整しながら使うもの」です。適切なメインテナンスを行いながら、できるだけ長く快適に使いましょう。

4.信頼できる歯科医院を選ぶことが重要

入れ歯の快適さや耐久性は、歯科医院の技術によって大きく変わります。同じ素材や種類の入れ歯でも、作り方や調整の精度などで使い心地は異なります。型取りの精度や噛み合わせなど は、長持ちする入れ歯には欠かせません。

入れ歯の精度は歯科医師の技術に左右される

入れ歯を長く快適に使うためには、フィット感がとても重要です。しっかりフィットしていないと、ずれたり、痛みの原因になります。
しかし、フィット感の良し悪しは、入れ歯の型取りや噛み合わせ次第です。例えば、型取りが不十分だと、入れ歯がうまく密着せず違和感が出ます。また、噛み合わせが合っていないと、しっかり噛めなくなります。
入れ歯を作る際は、「どの歯科医院で作るか」がとても重要です。長く快適に使いたいなら、しっかりと時間をかけて入れ歯を製作してくれる、入れ歯専門の歯科医院を選ぶのが良いでしょう。

5.まとめ

耐久性のある入れ歯を選ぶには、「壊れにくさ」だけでなく、
修理のしやすさやフィット感、歯科医院の技術力 も重要なポイントです。
素材ごとの特性を理解し、自分の口に合った入れ歯を選ぶことが大切です。
また、定期的なメインテナンスを行うことで、より長く快適に使用できます。
信頼できる歯科医院を選び、適切な調整を受けながら、自分に最適な入れ歯を見つけましょう。

【監修・執筆】ハイライフ編集部監修

【監修・執筆】ハイライフ編集部監修
所属:ハイライフグループ
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初診・検査料:5,000〜10,000円程度