2022.02.10

口内炎を早く治すためのポイントと治りにくい時の原因

口内炎を早く治すためのポイントと治りにくい時の原因

口内炎は、誰しも一度はかかったことのある病気です。軽いものから、食事に支障をきたす様なものまで様々な症状があります。
口内炎は、その大きさや数も千差万別ですが、早く治して楽になりたいという気持ちは、あらゆる口内炎に通じる思いでしょう。
しかし、中にはなかなか治らない悪い口内炎もあります。そんな口内炎の原因としていくつか挙げられるものと、早く治す方法を説明していきます。

1.口内炎とは

口内炎とは、書いて字のごとく、お『口』の『内』側に『炎』症を起こす病気です。
専門的には、『口内炎とは口腔粘膜に現れる炎症性病変』と定義されています。つまり、お口の中に現れる炎症をともなう病気の全てが含まれます。
ですので広い意味で、お口の中に起こる炎症性の病気はすべて口内炎であり、そういった意味では歯周炎や舌炎も口内炎の一種とされます。
しかし、ここでは一般的に考えられている口内炎、つまり『○○性口内炎』と呼ばれる様な口内炎について述べていきたいと思います。

2.口内炎の分類

口内炎は、その原因により、原発性(げんぱつせい)口内炎と、症候性(しょうこうせい)口内炎の2種類にわけることができます。

2-1.原発性口内炎

原発性口内炎とは、お口の中に限られた”原”因によって”発”症する口内炎のことをいいます。一般的にイメージされる口内炎がこちらになります。
その代表例が、潰瘍性口内炎という熱いものを食べた時などにできる口内炎やアフタ性口内炎です。

2-2.症候性口内炎

症候性口内炎とは、なんらかの病気の症状として現れてくるタイプの口内炎です。症候性口内炎の代表例が、白血病性口内炎という白血病の症状のひとつとしてあらわれてくる口内炎です。

3.通常の口内炎の経過

口内炎
一般的に考えられている口内炎は、カタル性口内炎やアフタ性口内炎と呼ばれるタイプの口内炎です。
カタル性口内炎は、単純性口内炎ともいわれ、お口の粘膜が赤く腫れた状態になるものをいます。アフタ性口内炎とはアフタを伴う口内炎のことです。アフタとはお口の粘膜にできた直径5[mm]ほどの白っぽい灰色の斑点のことをいいます。口内炎というイメージに合うのはこちらでしょうか。

治療は、どちらの口内炎でも、まずはお口の中をきれいにすること、そして、うがい薬や軟膏、トローチを処方して行なわれます。アフタ性口内炎の中には、数カ所出来たり、より大きいアフタを形成するものもありますが、カタル性口内炎、アフタ性口内炎ともに、通常7〜14日ほどで治ってきます。

4.治りにくい口内炎の原因

一般的な口内炎はたいてい7〜14日程度で治ってきます。言い方を変えれば、それ以上長引く様な口内炎は、通常の口内炎ではないと疑わなければなりません。
もし長引くようなら、下記の様な原因が考えられます。中には命に関わる病気の場合もあります。早めに歯科医院や病院を受診してみてもらうようにしてください。

4-1.壊死性潰瘍性口内炎

歯茎を中心とするお口の粘膜の壊死や、それに伴う潰瘍を特徴とする口内炎で、原因は細菌感染と考えられています。
最初は、歯と歯の間の歯茎の腫れから始まり、次いでそこが壊死を起こし、潰瘍になります。その後、お口全体に広がっていきます。出血もし易く、痛みも伴います。また、独特の口臭もあります。一方、発熱やダルさなどの全身的な炎症反応は少ないのが特徴です。しかし、さらに進行していくと、喉や顎の骨にも広がっていきます。そして、頬の皮膚に穴があくこともあります。そこまで進んでしまうと、命の危険性もあります。この治療には、抗菌薬の投与が効果的です。同時に栄養管理やお口の清掃も行ないます。

4-2.ベーチェット病

ベーチェット病とは、『お口の粘膜の病変』『外陰部の潰瘍』『目の炎症』『皮膚炎』の4つを特徴とする病気です。20〜40代の男性に多くみられ、10歳以下や50歳以上は稀です。
原因はよくわかっていません。
お口の症状としては、アフタのような口内炎を認めます。ベーチェット病の99%に認めますが、通常のアフタ性口内炎との見分けはとても難しいです。実際、顕微鏡での検査を行なっても、一般的な再発性のアフタ性口内炎と同じ結果が認められます。

ベーチェット病は、たいてい2〜3個のアフタが繰り返して生じ、痕を残さずに治ります。
口内炎自体は、比較的軽症な部類に入り、短期間に消失しますが、繰返し発症します。なお、上記の4つの症状は、お口の中にアフタが出来る→皮膚炎が起こる→目の炎症が起こる→外陰部の潰瘍が出来るの順番で起こることが多いです。
そんなベーチェット病の口内炎の治療は、アフタ性口内炎の治療に準じて行なわれ、ステロイド軟膏を塗布する、お口の中を清潔にするなどとなります。

4-3.プラマーヴィンソン症候群

鉄欠乏性貧血によっておこる口内炎です。お口の中だけでなく、上唇と下唇の端(口角)や、舌にも炎症を起こします。
口内炎以外の症状は貧血だけでなく、爪がスプーン状になるスプーンネイル(匙状爪ともいいます。)お口や食道などの消化器粘膜の萎縮による飲み込み困難、口角炎などです。また、舌の表面が赤く平らになってしまうのも特徴です。治療には、鉄剤やビタミン剤を処方します。

4-4.口腔がん

口腔がんとは、お口の中に出来たがんの総称です。口腔がんには、歯肉がん、舌がん、口腔底がんなどいろいろなものがあります。これらのがんの初期の症状は、治りにくい口内炎です。「2週間以上治療を継続しても治らない口内炎はがんを疑え」と言われるほど、がんの初期は口内炎と似た症状を呈します。口内炎との違いは、日に日に大きくなり改善することがないこと、硬結とよばれるしこりを伴うことです。

4-5.白血病性口内炎

白血病は、血液のがんとも言われる病気です。白血病になると、白血球が減少したり、機能しなくなったりします。
白血球は免疫系を司る大切な血液成分です。そのために白血病になることで免疫力が下がります。免疫力の低下により細菌感染を生じやすくなり、結果的に口内炎も起こしやすくなります。

4-6.天疱瘡(てんぽうそう)

天疱瘡とは、お口の中に治りにくい水ぶくれをたくさん作り、それが潰れることで口内炎を起こす病気です。口内炎はその後かさぶたに覆われ、治っていくのですが、次から次へと口内炎ができてきます。
また、はじめは小さい水ぶくれでも、それが潰れて、しかもたくさん繋がって大きな口内炎になるところに特徴があります。天疱瘡にはニコルスキー現象と呼ばれる独特の症状があります。ニコルスキー現象とは、表皮を強くこすると簡単に剥がれてしまう症状のことです。痛みが強く、食事がとりにくくなります。
この天疱瘡は、免疫系が自分自身の細胞を攻撃して起こる病気、つまり自己免疫疾患の一つです。
治療にはステロイドが有効ですが、効きが悪い時は、免疫抑制剤を使うこともあります。

・口内炎と舌癌の見分け方については、以下の記事で詳しく説明しています。
口内炎が痛くない!?舌癌?口内炎?正しい見分け方

5.口内炎を少しでも早く治すために

薬を使うのが一番いいのですが、それ以外に少しでも早く治すためのポイントをまとめてみました。

5-1.栄養管理

ビタミン不足や鉄分の不足が口内炎を起こすことがあります。口内炎が起きた時は、食事がとりにくくなることもあるのですが、栄養不足は却って口内炎を悪化させます。栄養を十分にとることを心がけるようにしてください。

5-2.衛生管理

食後の磨き残しなどによるお口の中の汚れは、お口の粘膜を刺激して口内炎を起こす原因です。口内炎を起こした時、こうした汚れが付いていると治りも悪くなってしまいます。痛くて出血することもありますが、歯磨きなどをしっかりと行い、お口の中をきれいに保つようにしましょう。

5-3.体調管理

お口の中には、実は細菌がたくさんいます。細菌も口内炎の原因になることがあります。通常は身体に備わっている免疫系により、こうした細菌が身体に悪影響を与えないようにしているのですが、体調が悪くなることでそうした機能が低下することがあります。この時、口内炎を起こしやすくなります。
口内炎が、体調不良が原因で起こっていることもありますので、疲れを取る、睡眠をしっかりとる、など体調管理に注意しましょう。

5-4.歯科医院での処置

むし歯や歯石、かけた詰め物などがお口の粘膜を刺激することでも口内炎は起こります。こうした刺激が原因で口内炎を起こしているのなら、歯科医院で適切な処置をしてもらうことが大切です。
そして、定期的に歯科医院を受診し、むし歯を早めに治療したり、歯石を取り除いてもらったりすることで、口内炎の予防をしましょう。

5-5.消毒はしてはなりません

消毒はしてはなりません
口内炎にうがい薬を使うことがありますが、このときイソジンに代表される消毒作用に重点を置いたうがい薬を使ってはいけません。
口内炎が出来たときは、その部分は正常なところと比べて、とても弱い状態になっています。そこを身体が持っている修復能力を使って治していくわけですが、消毒薬はその働きを邪魔してしまい、正常な細胞にまで悪影響を及ぼすことがあります。ですので、消毒効果の高いうがい薬は、却って傷の治りを悪くしてしまいます。もし、うがいをしたい場合は、歯科医院でアズノールや含嗽用ハチアズレという傷を治すのを促進する作用を持つうがい薬を処方してもらってください。

6.市販されている口内炎の薬

口内炎の場合、歯科医院で軟膏やうがい薬を処方してもらえますが、急ぐ場合ドラッグストアでも購入可能な製品があります。市販の口内炎治療薬は、塗り薬、貼り薬、飲み薬が発売されています。
下記にその一例を紹介します。

6-1.ケナログA口腔用軟膏

ケナログの写真
口内炎治療薬としてブリストル・マイヤーズから発売されています。
製剤は軟膏5[g]となっています。

6-2.アフタッチ

アフタッチ
口内炎治療薬としてサトウ製薬から発売されています。
こちらは軟膏ではなく、口内炎の部分に直接貼付けるタイプの薬になります。
1箱に10回分入っており、貼付けると薬が溶け出して効いてきます。

6-3.チョコラBB

チョコラBB
チョコラBBプラスは、エーザイから発売されているビタミンB2を主に配合した飲み薬です。
含まれているビタミンBにより体の中から口内炎の悪化を防ぎ、そして治そうとします。

6-4.チョコラBBドリンクビット

チョコラBBドリンクビット
錠剤が苦手な場合は、液体タイプもあります。

6-5.チョコラBB口内炎リペアショット

チョコラBB口内炎リペアショット
エーザイから発売されているスプレータイプの口内炎治療薬です。
配合されているアズレンの働きで口内炎を治します。

まとめ

口内炎は痛みを伴うので、出来るだけ早く治すに越したことはありません。
そのためには、食事を十分摂る、お口をきれいにする、身体を休める、歯科治療を受けるなどが有効です。
口内炎の市販薬には、塗り薬、貼り薬、飲み薬などがあります。症状に応じて使ってみるといいでしょう。

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【監修・執筆】ハイライフ編集部監修

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