歯磨きしたあとなのに、何だか銀歯のあたりから嫌な臭いがしたり変な味がしたことはありませんか。
また、詰めていた銀歯が取れたとき、嫌な臭いを感じたことはありませんか。
実は、銀歯が口臭の原因になってしまっていることもあるのです。
今回は、銀歯によって起こる口臭についてお伝えします。ぜひ、参考にしてみてください。
1.銀歯とは何か?
1-1.銀歯には3種類ある
一言で「銀歯」と言っても、大きく分けて「インレー」「クラウン」「ブリッジ」の3種類があります。
1-2.インレーは金属の詰め物
インレーとは、虫歯を取り除いたあと、部分的に詰める金属のことです。比較的、歯の神経が残っていることが多いです。
1-3.クラウンとは金属の被せ物
クラウンとは、歯全体に被せる金属のことです。神経の治療を終わったあとに被せることが多いです。差し歯とも言われています。
1-4.ブリッジとは歯のつながった被せ物
ブリッジとは、何らかの原因で歯を失ったあとに、両隣の歯を土台に使って歯をつなげて失った歯を補うものです。
2.銀歯が臭いを出す状態
銀歯が臭いを出す状態の多くは、銀歯が古くなったことが原因で引き起こされると考えられます。銀歯が古くなると、どんなことが起きるのでしょうか。
2-1.歯と金属との間にひずみができる
銀歯が古くなってくると、歯と金属との境目にひずみが生じるようになります。そのひずみが少しずつ大きくなり溝や隙間ができます。
そこに汚れがたまり、やがて虫歯になります。その汚れや虫歯が口臭を引き起こします。
また、ひずみからくっつけていた接着剤が溶け出して銀歯が外れる原因にもなります。
2-2.歯や金属が欠ける
噛む力が強い場合、または何かがきっかけで強く噛んでしまった場合、詰めている銀歯のへりがわずかに欠けたり合わなくなったりすることがあります。
また、金属の近くの歯が欠けることがあります。すると、欠けたり合わなくなったりした部分に汚れがたまりやすくなり、虫歯や口臭の原因を引き起こします。
2-3.金属の表面が傷ついている
金属の表面が傷ついていると、細菌や汚れがくっつきやすくなって不潔になります。この落としきれず残った細菌や汚れによって口臭が生じるようになります。
2-4.金属の下で歯が割れている
歯に詰めている金属が大きかったり歯全体に金属を被せていたりする場合、知らない間に金属の下で歯が割れていることがあります。神経が残っている歯であれば激痛を伴うのですぐ気づくことができます。
一方、神経をとってしまった歯の場合、歯が割れていても痛みが出にくく、また金属で固定されていてなかなか気づかないことが多くあります。
歯が割れたままでいると、隙間から汚れや細菌が入り込んで根の先や歯茎が化膿することがあり、口臭の原因となります。
・銀歯と虫歯については、以下の記事で詳しく説明しています。
銀歯がしみる!疑うべき6つの原因と正しい治療法
3.口臭の種類と銀歯が原因のものとの見分け方
口臭にはいくつかの原因が考えられます。それぞれの原因に対して、適切な対処の方法が必要となります。
3-1.歯に原因があるもの
歯が原因で起きる口臭の種類には、虫歯、歯周病、合っていない金属などがあります。これらの多くは、しっかり治療をすることで口臭を改善することが出来ます。
3-2.口の中に原因があるもの
歯以外にも口の中には、口臭を引き起こす原因はいくつかあります。
まず、汚れが多く残っている場合です。磨き残しが多かったり、歯を磨かずにいたりすると、汚れや細菌がどんどん増加し、口臭が強くなります。
また、舌苔(ぜったい)と言って、舌に汚れが多く付いている場合も口臭が強くなります。
これらは、適切に汚れを取り除くことで口臭を改善すること出来ます。
他にも、口の中の乾燥が強い場合、細菌の臭いが揮発することで口臭が強くなります。
・口臭と唾液の関係については、以下の記事で詳しく説明しています。
専門家監修|7つの唾液の働きと増やすためにできる5つのこと
3-3.体の病気が原因となるもの
口以外にも、全身の病気によっても口臭が引き起こされることもあります。
蓄膿症がある人は、喉の方に膿が流れることもあり、口臭が生じることがあります。
また、糖尿病の持病がある人も「アセトン臭」という特有の口臭があることがあります。
他にも、飲んでいるお薬の副作用で唾液が出にくくなったり口の中が乾燥したりして口臭が強くなることがあります。
これらは、歯科医院だけでは口臭を改善させることが困難です。内科などの主治医の先生と連携して治療を行う必要性もでてきます。
3-4.食べ物や嗜好品が原因となるもの
にんにくやカレー、コーヒー、お酒、タバコなどは、口臭を強くする原因にもなります。
食後および食後に歯磨きやうがいをすることで、口臭を緩和することが出来ます。
3-5.生理的現象によるもの
何もしていなくても、自然と口臭が強くなることがあります。これは生理的なもので、起床後や空腹時に口臭が強くなることがわかっています。
また、緊張したときに口の中がカラカラに渇いたことがある人も多いと思います。このときにも口臭が強くなる傾向があります。
これらは、歯磨きやうがいをしたり、水分をとって口を潤したりすることで口臭を緩和することができます。
3-6.銀歯が原因の口臭の見分け方は?
銀歯が口臭の原因となるのは、銀歯の近くや下に汚れや虫歯などができているときです。
銀歯を歯に付けてから時間が経っている場合で、歯磨き後の嫌な臭いや変な味がするときは、口臭の原因として銀歯を疑った方がいいかもしれません。
また、デンタルフロスや歯間ブラシを使っているときに嫌な臭いがするときも同様に気をつけた方が良いでしょう。
4.銀歯が原因の口臭の対策方法
4-1.定期検診を受ける
銀歯を付けてから時間が経っている人は、歯科医院での定期検診をおすすめします。
もし、金属と歯と間に溝や隙間が出来ている場合は、新しく金属と作り直す可能性があります。また、金属の表面が傷ついて汚れている場合は、表面を磨くことで汚れをつきにくくすることもできます。
・歯科検診の内容については、以下の記事で詳しく説明しています。
専門家監修|定期的な歯科検診がもたらす将来の歯への4つの大きな利点
4-2.金属からオールセラミックに変える
基本的に銀歯は保険診療で使用する材料です。歯型を精密に型取りしていますが、保険診療で使用する材料ではわずかに変形する恐れがあります。
また、金属なので時間が経つと、表面に細かい傷が付いて汚れたり、金属のへりがゆがんだり、ひずみができたりして合わなくなることがあります。
一方、オールセラミック(陶材)は自費診療で使用する材料です。歯型を取る材料も保険診療で使う材料より変形しにくい材料を使ったり機械を使ったりするため、より精密に詰め物や被せ物を作ることができます。
また、オールセラミックの特徴として、表面は傷つきにくく汚れが付きにくかったり、変形しにくいので歯との間に隙間ができにくかったりします。そのため、銀歯と比べて口臭が起こりにくいと考えられています。
5.お勧めケアグッズ
5-1.補助グッズを使う
銀歯は隣の歯にも接触しています。しっかり歯の汚れを落とすためには、噛む面だけではなく、歯と歯の間や隙間のお掃除も不可欠です。
歯と歯の間の掃除にはデンタルフロスを、歯と歯の隙間には歯間ブラシを使って汚れを取り除きましょう。
ただし、デンタルフロスを使っている時に、ひっかかりがあったり糸がほつれたり切れたりする場合は、歯と金属との間に隙間ができている可能性があります。歯科医院で調べてもらいましょう。
・差し歯については、以下の記事で詳しく説明しています。
専門家監修|おすすめの歯間ブラシと正しい使い方で防ぐ3つの病気
5-2.マウスウォッシュを使う
歯磨き後にマウスウォッシュを使うことも虫歯や歯周病、口臭などの予防の1つになります。
ただし、製品によってはアルコール成分が多く含まれているものもあり、口の乾燥を強める恐れがあります。口の乾燥が続くと逆に口臭や虫歯の原因にもなりやすいので、使用感に合わせて製品を選ぶようにしてください。
まとめ
ついつい「銀歯を入れたからこの歯の治療は終わり」と思いがちですが、どんな歯でも虫歯になる恐れはあります。また、虫歯の治療をした歯というのは、言い換えれば虫歯ができやすい場所、臭いや汚れがつきやすい場所です。普段から丁寧な歯磨きを心がけ、半年から1年に1度は、歯科医院で定期検診を受けることをおすすめします。
もし、今お口の中に入っている銀歯や詰め物のことで気になることがあれば、気軽に歯科医院に相談してみてください。
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