前歯が茶色くなったり黒ずんだりすると、見た目にとても影響します。
話をするときや食事をするときも、前歯は相手からよく見える部分です。
笑顔になったとき、前歯がきれいに見えると、笑顔もよりきれいに見えます。
今回は、前歯が着色しないように、前歯の色が変わってしまう原因や、白くする対処方法についてご説明します。
1.前歯が茶色く変色をする10の原因
1-1.加齢
歯の色は、実はずっと同じ色というわけではありません。年とともに変化していきます。加齢的な変化の場合は、黄色みが増していくことになります。
1-2.歯垢や歯石
歯の表面に歯垢や歯石がついていると、少し黄色みがかった白い色がついてくることがあります。
なお、歯石ははじめのうちは、このような色なのですが、どんどん増えてきて歯茎の下にまで及ぶ様な状態になれば、黒色になります。
1-3.むし歯
最も多い原因としてあげられるのがむし歯です。むし歯になると、歯の形が崩れてくるのですが、その過程でむし歯の部分の色が変わってきます。
茶色、黒色などその進行度合いによって色は異なります。
1-4.脱灰(だっかい)
脱灰とは、歯の表面の一部が、他の部分と比べて一段と白くなった状態のことです。
歯の最も表側の部分をエナメル質といいます。歯のエナメル質は、骨よりも硬い強さを持っている無機質でできています。このエナメル質は無機質の結晶構造をもっているのですが、むし歯菌の出す乳酸により、エナメル質の結晶構造の一部が荒れてしまいます。すると、歯の表面にこのような変色をおこしてしまうのです。
つまり、脱灰とは本格的なむし歯になる一歩手前の状態と言えます。
1-5.失活(しっかつ)
失活とは、歯の神経が死んでしまうことを意味します。
このような歯を失活歯(しっかつし)といいます。失活する原因は、むし歯やケガなどいろいろあります。失活すると、歯が全体的に暗く黒ずんできます。
1-6.食品による着色
食べ物や飲み物に含まれる色素が歯に色をつけてしまいます。これを着色といいます。
コーヒーやワインが代表的ですが、お茶でも起こりえます。この場合の色は、おおむね茶色がおおいです。
1-7.タバコのヤニ
タバコを吸うと、歯にたばこのヤニがついてしまいます。こげ茶色っぽい色がついてきます。
たばこのヤニによる着色の場合、歯と歯の間の狭いところにまでこびりついてきます。
1-8.修復材料の経年変化
むし歯治療で、むし歯が小さいときはコンポジットレジンとよばれるプラスチック製の詰め物をしたり、またむし歯が大きい時に、レジン前装冠(ぜんそうかん)とよばれる被せものを装着したりします。
このレジンとよばれるプラスチック製の修復材料は、当初は歯の色に合わせていても、経年的に黄色みがかってくる性質があります。ですので、レジン系の材料で治した場合、歯が黄色くなったように見えることがあります。
なお、歯科での修復材料とは、歯科でむし歯やその他の治療に用いられる材料のことを言います。レジン系は色が変わりやすいという特性があります。対して、セラミック系は変わりません。
・被せものについては、以下の記事で詳しく説明しています。
保険で前歯を差し歯に!歯医者に行く前に知っておきたい費用と特徴
1-9.内出血
打ち身などで肌が内出血をきたすことがあるように、歯も打ったりすると内出血をおこすことがあります。
歯の内出血は、ほとんどが前歯に起こります。その時の症状は、歯の表面にピンク色の丸いシミがついた様なものとなります。
1-10.エナメル質形成不全症
永久歯が生える前の乳歯の段階で、むし歯が進行することで、乳歯の根の先に膿の袋が出来てしまうことがあります。
このとき、さらに放置すると膿の袋から、その下にある歯胚(しはい)とよばれる、いわば永久歯のたまごに細菌感染が生じ、永久歯の表面のエナメル質が不完全な状態になることがあります。
この場合、歯の表面にまだらな白色や黄色、薄茶色などの斑点が現れます。
2.前歯が茶色く変色をする原因別の対処方法
2-1.加齢
加齢的な影響による歯の色の変化に対しては、ホワイトニングを行なうことで改善を図ります。
2-2.歯垢や歯石
歯垢はプラークとも言いますが、歯みがきではとれません。また、歯石についても歯みがきで取り除くことは出来ません。これらは、歯科医院で専用の器械を使って取り除かなければなりません。
・歯石については、以下の記事で詳しく説明しています。
専門家監修|普段から歯石を防ぐ方法と歯医者で行う歯石除去
2-3.むし歯
むし歯による歯の色の変化に対しては、むし歯の治療を行なうことで対応します。むし歯が小さければ、コンポジットレジンを詰めることで治せますが、大きくなってくれば、神経をとって被せものを装着しなければならないこともあります。
・コンポジットレジンについては、以下の記事で詳しく説明しています。
虫歯を削らずに保険で白く治療!コンポジットレジンとは
2-4.脱灰(だっかい)
歯の脱灰に関しては、一般的には経過観察になります。唾液に含まれている成分により自然と治ってくる余地があるからです。しかし、あくまでもきちんと歯を磨いて、お口の状態をきれいに保っていればという前提があります。もし、きれいにしておかなかった場合は、更に進行してむし歯になっていきます。
2-5.失活(しっかつ)
歯の神経が死んでしまったことによる歯の色の変化に対しては、歯の神経の治療を行ない、被せものを装着して治すことになります。
2-6.食品による着色
歯みがきをいくら頑張っても、こうした着色はとれません。歯科医院で専用の器械や研磨剤を使って取り除く必要があります。
2-7.タバコのヤニ
タバコのヤニは、タバコの煙によるものなので、歯と歯の隙間や歯の溝、その他隅々まで浸透していきます。
そして、食品よりも非常に強くこびりつきます。歯科医院では、専用の器械や、幾種類もの研磨剤を使ったりして、取り除くようにしますが、器械が届きにくいところまでは、取りにくいのが正直なところです。
最近は、微粒子を歯の表面に噴射する器械も普及してきましたが、こうした機械を使っても、やはり取り除きにくいです。一番の対策は、禁煙といえます。
2-8.修復材料の経年変化
コンポジットレジンが黄色くなってきたことによる歯の色の変化の場合、表面を研磨して、汚れていない面を出してくることで対応出来ることもあります。
しかし、研磨しすぎると詰め物がくぼんでしまい、かえって形が悪くなることがあります。こうしたときは、新しく詰め直さなければなりません。
また、レジン前装冠の場合は、表面を研磨をすると内側の金属の色が見えてくることがあります。その場合は被せそのものを新しくしたほうがいいかもしれません。
2-9.内出血
歯の内出血が考えられた場合は、歯の神経の治療を行ない、その上で被せものを入れて治すことになります。内出血したところだけを取り除くことは出来ません。
2-10.エナメル質形成不全症
むし歯ではないので、見た目さえ気にならなければ、経過観察でも大丈夫です。
しかし、気になってしまう場合は、色のついたところ削ってコンポジットレジンを詰めて治したり、またはポーセレンラミネートベニアとよばれるものを貼付けてたりして治すこともあります。
ポーセレンラミネートベニアとは、歯の表面を薄く削って、付け爪のような形の薄いセラミック製の歯を貼付ける治療法です。
歯を大きく削る必要がないので、本来の歯を少しでも多く残しておけるメリットがあります。しかし、保険診療の適応外となるため、主治医とよく相談してから、受けるようにしましょう。
3.歯を白く改善した後の注意点
歯の色がいろいろな原因により、変化してくることは前述しました。
そこで、治療を受けて改善出来た後は、今後なるべく歯の色が変化をきたさない様にしましょう。
そのためには、歯科医院で定期的な歯のチェックとクリーニングを受けることが効果的です。そうすれば、歯の色が黒くなってしまう前にむし歯を見つけることが出来ます。
歯の色に変化がでるほどに、歯石がたまってしまうこともありません。食品の着色も少ないうちに取り除くことが出来ますし、たびたびきれいにしておいた方が、汚れがつきにくくなるというメリットもあります。
タバコについては、禁煙外来などを利用して、禁煙をする方向に対応しておくのが、健康の維持のためにもいいでしょう。
・歯科検診については、以下の記事で詳しく説明しています。
専門家監修|定期的な歯科検診がもたらす将来の歯への4つの大きな利点
まとめ
歯の色は、どうしても様々な原因により変色してしまうことがあります。
むし歯になれば黒ずんできたり茶色くなったりしてきますし、神経をとった歯は黒っぽくなってきたりします。
もし、歯の表面の色に何らかの変化が現れてきた場合は、まずは歯科医院を受診し、その原因について教えてもらいましょう。
そして、それぞれの症状に応じて、効果的な治療を受ける様にしてください。
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